ALS患者さんのSNS発信はかなり活発なので、
「呼吸器をつければ生きられる病気」という事実は、
いまや初期の患者にとって、最も簡単にリーチできる情報となっているように思う。
ところが、「どうやったらその環境を整備できるのか」について、
まとまったものとして得るのは難しい。
自治体ごとにバラつきが指摘されている介護保険での支給時間など、
本当に知りたい情報はなぜ公開されないのだろうとかねてから疑問を感じていた。
けれども、情報収集したり、患者会などに出るうちに分かってきたことがある。
情報の普遍化は、かなり難しいということ。
理由は3つ。
1つ目は、24時間介護は、ALSの、しかも限られた患者の優遇処置だという点。
たとえば、昨日アップされた下記の記事。
札幌の24時間介護訴訟、原告が上告 市認定の介護時間、妥当か(道新ウェブ 6/2付)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/lifestyle/senior/news/2-0026633.html
札幌市の重度心身障害者が、
現在540時間の介護サービスの支給を720時間に引き上げるべく裁判を起こした。
しかし、一審二審ともに訴えを退けたため、最高裁に上告したというニュースだ。
札幌市では、24時間介護(720時間)の支給は、
「進行性筋萎縮症で常に人工呼吸器を装着している」などの条件を満たす身障者に限定している。
条件を満たさない場合(満たす場合であっても)、
多くの患者は、役所との交渉などを重ね、陳情を何度も繰り返していたりする。
つまり、認定されているサービスは、
個人個人に限定された優遇措置である場合があり、
他の人にも適用できるかは分からない。
普遍化できない2つ目の理由は、リソースが限られているという点。
上述の札幌市の患者で、720時間介護を受けているのは、
2013年の情報によると10人程度。
もし、条件を満たす患者が増えた場合、
サービスが見直され、時間数が減らされてしまう可能性がある。
それでは、現サービス受給者において、情報を広く共有する意味がない。
3つ目の理由は、自治体同士の競争原理が働き得ないということ。
仮にある自治体がとても福祉サービスに優れていたとして、
他の自治体からサービス受給者が転居してきてしまうと、
予算が増えるなど、自治体にとってはジレンマとなってしまう。
以上の理由で、(あくまで私見ではあるけれど)
自治体ごとの介護情報をデータベース化するのは、かなり難しい作業なのではないか。
本来なら自治体ごとの不平等を放置せず、国が最低限の基準を示すべきだと思う。
ただ、それが示された場合、ALS患者にとって良い結果にならないかも。
24時間介護を受けられる権利がなぜALSだけに認められているのか説明できなければ、
難病新法のように下方修正される可能性が高い。
グレーゾーンが生命を左右する。だから国も容易には線引きできない。
安倍政権は、やりたそうですが。
Myuhさんとほぼ同じ状況のALS発症3年の47歳会社員です。
返信削除毎朝起きて、今日は出社出来るか、悩み続ける毎日です・・・
貴重な情報ありがとうございました。
勉強になりました。
政治家は信用出来ませんが・・・
コメントありがとうございます。
削除今の病院の先生には、担当してきた中で一番若い患者と言われているのですが、ブログを見ていると40代前後で発症された方が意外と多いので驚いています。
3年間お仕事を続けていらっしゃるのは大変だったと思います。
私は故郷に帰るため、先月末で退社しました。もう会社員に戻ることはないんだと思うと少しさみしいです。
頑張ってくださいね。
myuhさん
削除ありがたいお言葉ありがとうございます。
私の場合、構音障害から病状が出ました。
次第に体の動きが鈍くなり、現在4歳の子供より
歩く速度が、遅い状態です・・・
いつまで会社に行けるか、毎日闘っています。
私も話しづらさが最初の症状でした。
削除言いたいことが伝わらないのはつらいですよね。
もっと頑張ってる人がいると思ったら、少し勇気がでました!
関東も梅雨入りですね・・
返信削除出社の時に傘を持って歩きましたが
杖がわりになるかな~?っと思って
傘を地面に付けても全く役にたちませんでした。
この病気の歩き難さを解消するのは
杖じゃダメみたいですね・・・
手すりがあると便利ですよね~
私は腕の方が足より進行しているので、杖は重くてしんどいです。
削除確かに手すりの方が持ち上げなくていいので楽ですね~。