2014/05/06

「難病カルテ 患者たちのいま」

「難病カルテ 患者たちのいま」(蒔田備憲 著・生活書院)


この本を読んで、初めて知った病気がたくさんあった。
薬や治療法があるものだとしても、完全に治るわけではない病気。

完全に動けなくなってしまえば、介護保険や障害者支援などが受けられる。
でも動けても働くことが困難だったり、日々の生活に支障が出たり、
普通に就労することが難しい段階であれば、支援を受けるのはとても難しい。


2015年1月1日から新しく施行される「難病法」では、
医療費助成の対象疾患を現在の56疾患から、
約300疾患へと拡大されることになっている。

そもそも難病と認定する要件として、人口の0.1%以下としている。
だが、高齢者が発症することの多い疾患は、
団塊の世代が60代に突入した現在では、
0.1%を超えるものが多くなってくるに違いない。

医療費助成の難病に認定された患者についても、
収入のある患者については、所得に応じ負担を求めるものになるという。

医療費の予算は限られているので、
誰かの負担が増えることは仕方がないことだと思うが、
何も難病患者の中で公平感を実現しようとしなくても良さそうだが。

そもそも症状が軽い人も、助成で飲んでいる薬のおかげで
働けているだけかもしれないからだ。
悪化しなくては医療費助成が受けられないのでは本末転倒だ。
そこらへん役所で判断できるのでしょうか。

禁煙外来や、皮膚科での治療とは無関係な投薬(美容クリーム的なものとか、ビタミン剤とか)
風邪の受診など、OTC薬で何とでもなる症状に健康保険が使われていることはかなりある。
高齢者や子供を除けば、そういった症状への負担を高めるとか、
患者のためにならないケースの抗がん剤治療とか、他に見直せないのだろうか。
製薬会社の思惑で、無駄なものに医療費が使われている。


難病になったと知るだけでつらいのに、
その上、お金の心配までしなくてはならない社会は、フェアだとは思わない。

健康だったころには、こういった本を開くこともなかった。
なぜ車椅子になってまで、電車に乗るのだろうとすら思っていた。

だから私はこんな病気になってしまったのだろうか。
ごめんなさい。


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