「宇宙兄弟」(231話・232話)は、シャロンの病気としてALSが描かれている。
「宇宙兄弟」は実はほとんど読んだことがないのだが、
登場する患者さんのモデルがALS界?では有名な方なので、
患者メーリスでもお知らせがあり、その2号だけ購入して読んでみた。
たとえ自由にしゃべることができなくても、
患者の脳の機能(知性)が活発なことを表すのに、
しりとりを使うのは面白いアイデアだと思った。
また、シャロンがムッタへのアドバイスをする回顧シーンも良かった。
でも、その後はなんとなく患者会サイドの要望通りの内容を描きおこした印象を受ける。
ムッタの生きてて欲しいという言葉で、シャロンは呼吸器をつける決心をする。
正直な感想としては、こういううすっぺらい美談としてではなく、
もう少し心の葛藤の過程を描いてほしかった。
眼鏡のように呼吸器をつけるというのは、
良く患者さんから発せられる言葉だけれど、眼鏡は外せるのだ。
呼吸器と同じではない。
私のように眼鏡が嫌でレーシックを受ける者もいる。
オプションがあるということだ。呼吸器にはそれがない。
せりかのお父さんがALSで亡くなっているのなら、
例えば呼吸器を拒否する選択をしたことにして、2つの患者の生き方を描くことで、
動けない身体で生き続けることを拒否することについてどう思うのかとか、
呼吸器をめぐる日本の現状について、
若い読者にも考えてもらうような内容が良かったな。
人気マンガということなので残念。。。
または、宇宙という未知の領域に挑む科学者として、
生きる意味を考えるなんて宇宙では意味がないと言い切って呼吸器をつけるとか、
社会にも貢献できず、素敵な家族もおらず、
生きる意味を見つけられない患者さんにも勇気を与えるかも。
でも、ALSへの理解が深まるのは大切なこと。
感想は率直に書いてしまいましたが、
多くのファンを持つ「宇宙兄弟」で描いてくれたことに深く感謝しています。
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