2014/12/23

話しづらいことは、けっこうしんどい。

「男のおばあさん(永六輔・著/大和書房・刊)



パーキンソン病を患った永六輔さんのエッセイ集。
TBSラジオ「永六輔の誰かとどこかで」でのトークが元になっている。

1967年1月2日~昨年2013年9月27日まで、
46年9ヶ月にも渡って放送された、超ロングラン番組。

永さんの話し方が「痛々しい」などの投書が相次いだこともあって、
去年の9月で放送休止となったらしい。

そのあたりの永さんの心持ちが、この本の中で語られている。

病気の人を勇気づけたいという気持ちと、
もう辞めた方が良いのかなという気持ちの間を揺れ動く。

とっても良くわかる。
(※注:永さんは変人なので、分かってないかもしれない。笑)

もうひとつ最近気になっていることがある。

本人の中身は変わらないのに、
話し方ひとつで人の評価が変わってしまうということ。

たどたどしい話し方だと、中身も稚拙だと思われてしまうことがある。
お年寄りを「ちゃん」づけで呼んだりする人がいる。
簡単な日本語しか話せない外国人を、TVではお馬鹿タレントとして扱ったりする。

これがけっこうつらい。

話せないこともつらいけど、それを「痛い」と思われることはもっとつらい。

うまく話せないだけなのに。

人口声帯をつけて復帰した、山形県酒田市の本間市長にも、
職務続行に疑問の声が上がっているらしい。

http://mainichi.jp/select/news/20141220k0000m040044000c.html

実際に仕事に支障が出るようであれば考えるべきだけれど、
まだ何も問題が出ていないうちから引退を迫るのは、
なんとも寂しい社会だと思う。

本間市長は、ちゃんと話せないだけなのに。
横領した小渕議員は、しゃべれるだけなのに当選。

なんだか、もやもや。


-----------
※ちょっと脱線してしまいましたが、
パーキンソン病の患者さんは、この本を読むと元気をもらえると思います。
父に読ませたいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿