2015/09/28

胃ろうの手術は大変?!

8月10日、胃ろう増設手術とラジカット2クール目のため、
大学病院に2度目の入院をした。

嚥下機能は保持していたのに胃ろう手術となったのは、
呼吸器検査の結果、%肺活量(VC)が低かったため。

%肺活量(VC)とは、
肺活量を年齢と身長によって計算した予測正常値と比較した値。

私の場合は、54%。普通の人の約6割。

ALSの場合、胃ろうは50%以上あるうちに導入することを推奨している。
なぜなら50%を切ると手術中に呼吸不全になる可能性が出てくるので、
内視鏡手術にリスクが出てしまうかららしい。

この1年間、色々と調べて、
体重減少はALSの予後に大きな影響があるとは理解していたので、
いつか胃ろうをつけるのは止む無し。…とは覚悟していたものの、
こんなにすぐ「いつか」がやってきたのはやはりショックではあった。

まぁ、気持ちを切り替えてやるしかない。
だってやらないと死んじゃうもんね。
そんな淡々とした実感の薄いなか、あっという間に手術前日に。

まず前日に、鼻からチューブを入れてお腹にガスを入れCTを撮る検査をする。

胃カメラが得意な人は楽勝だと思う。
でも、私は胃カメラ経験なし。

するするする~っとチューブが鼻を通過するとたちまち、
オエー、オエー。…く、苦しい。とてつもなく。
私はどうやら嚥下反射が強い人らしい。
手術の内視鏡はもっと太いと聞いて、ブルーになった。。。

胃ろう手術当日。
朝食だけ抜いて、いよいよ手術室へ。
まずは別の部屋で鼻に麻酔をかける。
キシロカインを注入するだけなので、おとなしく待つ。

ふと、若い先生が何人も待っている手術室が目に入った。
「いやな予感、、、」
はたして予感的中、衆人環視の中、
何の断りも、滞りもなく手術開始。ぎゃー、恥ずかしい。
もうガリガリですし、見てもなんとも思わないでしょうけど、
おっぱいポロリですよ。。。(泣;

「これより内視鏡胃ろう造設手術を行います。(みたいな内容)」の声に、
つい、「はい」と返事をしてしまう。
…私に言ったわけではないらしい。気まずい。

が、そんなことは内視鏡が鼻に挿し込まれた途端にどうでも良くなった。
くるしーい!暴れたので、足をしっかとつかまれる。

心拍数MAX、パニック状態の中、手を握ってくれた人が!
見上げると、立ち会ってくれた神経内科の先生だった。(手術は内科の先生が担当する)
先生の優しい笑顔を見た途端、急に力が抜けて楽になった。

「は~い、少し痛いですよ。」

え、身体が少しねじれてますけど…と言う間もなくバチバチ。
ホッチキスのようなもので3ヶ所を留める。

「は~い、少し押されますよ。」

これって麻酔効いてます?ってくらい痛い。

「もう1回だけ押されます。あともう少しですよ。」

バンパーを埋め込む感触があり、終了。(約45分)

神経内科の先生は、
手術が終わるまでずっと手を握っていてくれて、声かけしてくれて、
本当に心強かった。先生なしでは乗り切れなかったかも。ありがたや~。


でも終わった後が、さらに大変だった。

猛烈に痛い。
ねじった態勢で留めた最初のホチキスが引っ張らさっているのかもしれない。

最初ボルタレンの座薬を使ったけれど、
全く効かなくて、ロピオンという鎮静剤を点滴した。
それでも痛くて、泣きそうに痛くて、
丸2日くらい右向いた態勢のまま、ベッドの上で固まっていた。
手術の晩と、翌日は絶食だったけれど、
そうじゃなくても食べる気にもならなかった。


胃ろうについてネットで調べると、
「胃ろうの手術は1時間程度で済む簡単な手術です。」とある。

確かに施術は簡単だけれど、簡単=楽ちん、ではない。

ALSの患者さんは、胃ろうの時期を引き延ばしてしまいがち。
でも、この手術を、口も利けない。身体を動かせず痛くても寝返りも打てない。
そんな状態で受けるとしたら・・・。
想像するだけでオソロシイ。

術後は楽な人もいるらしいので、絶対ではないけれど、
自分の経験だけでいうなら、胃ろうの検討は早めにした方がいいと思う。

2015/09/02

悲喜こもごも。その2

さて、ようやっと前々回の続きをば。

ラジカット1stクールは、
なんとか7月に入院して受けることが決まったけれど、
2ndクール以降は、目途が立っていなかった。

大学病院でも当たっているけれど、自宅近くでも探すように言われていたので、
プラセンタを打っていた病院に相談してみた。
その病院は産婦人科だったので無理という回答だったけれど、
「どこか訪問診療のクリニックを知りませんか?」と聞いてみたら、
快く一か所、良さそうな病院を教えてくれた。

いよいよ無かったら、訪問診療が良いかもと、
以前銀座のクリニックの院長先生にアドバイスをもらっていたおかげ。
色んな人に助けられていると思う。

外来はやっておらず、訪問診療のみのクリニックらしい。
ウェブサイトがあったので、ラジカットの事情を含め、メールしてみたところ、
院長先生から、前向きな返事が!

ただ、初めての試みなので、
最終的には大学病院の医師と話してから決めたいとのこと。

早速入院初日に、大学病院側の医師に相談してみたところ、
連絡を取って話してくれることに。
あとで知ったのだけれど、地域の医療機関と積極的に連携してるようで、
先生方の対応も超スピーディ。

あっという間に連絡を取ってくれて、私の診療情報も共有した上で、
先方のクリニックから、一度顔合わせしてから、引き受けるか決めたいという連絡が来て、
面談日が決まった。
そう聞いて、そういえばまだ一度もお会いしてないことに気づいた。あはは。私らしいけど(笑)

面談日には、なんと6人もの方々にお越しいただいてびっくり。
院長先生、ソーシャルワーカー、ケアマネージャー、看護師3名。

どうやら、今後の介護生活のことまで考えてくれたらしい。

札幌に移ったら、話せるうちに介護事業者の当たりをつけねばと思っていたので、
まさに渡りに舟!

ラジカットと、ケアマネージャー。
宿題が2つも片付いてしまった。

その勢いで、胃ろうの入院日も決めてしまい、1週間後に再入院することになった。
2週間後にはお腹にボタン。。。
まさに覚悟を決めた一日だった。

いやいやだったけど、結果的には入院して良かった~!

次回は胃ろうの手術について書きますね。