2015/04/30

『博士と彼女のセオリー』 (イギリス映画・2015年日本公開)


この映画は、実は見るかどうか躊躇してました。

予告編を見て、ALS初期の症状が自分と被り過ぎていて、ブルーになったのと、

どうせホーキング博士と妻のジェーンの感動の介護ストーリーなんでしょ?…という、
まぁ、見なくても大体分かっちゃう感じがあったので。

…ところが!全然違うのです。

主役のエディ・レッドメインのALS患者っぷりがリアルすぎて、
序盤ブルーになったのは想定通りだったけれど、
ストーリーは、大きく予想を裏切る展開に!さすがイギリス映画。

ネタバレしたいけれど、言うと面白くなくなっちゃうのでここはガマン。

自分が感じたことだけ書くと、愛だけじゃ介護は続かない…ってこと。

患者とケアギバーとの関係は、
母親と子供のような「面倒見る人」「見られる人」の関係ではなく、
対等じゃないとダメなのかもしれない。
もちろん肉体的には対等にはなりえないんだけれど、精神的には対等に。

それには、「尊敬」という感情が双方に必要なのかなと思った。
お互いに相手を尊重できるかどうか。

ホーキング博士は彼女を家族として愛していたけれど、
彼女は対等な人間として接して欲しかった。たぶん。

私も、博士のようなお互いに尊敬できる介護者をみつけられるといいな。
尊敬してもらうのは、凡人には難しいけど。。。

場つなぎが上手くて、2時間の上映時間は、あっという間です。
特にラストが素敵。
エンドロールでじわじわ泣きました。観て良かった!

2015/04/24

慣れるヒマがない。

突然、左手の薬指がダメダメに。(泣;

すでに、小指、中指、親指が動かしづらい状態だったので、
キーボードのブラインドタッチは、薬指で代用するべく練習していたのに、
薬指の突然の麻痺。
曲がったまま伸びない指は、もうこのままなんですかね。
垂れ下がってしまうので、キーボードを打つ時に難が。

こうなったら、何とか動く小指と、人差し指に頑張ってもらうしかない!

色々工夫はすれど、正直、慣れるヒマがない。。。

最近、車椅子の方を見かけると、うらやましいと思ってしまう自分がいる。
足だけだったら、全然耐えられるな…とか考えてしまう。ちょっと病んでますよね?

車椅子の方、ごめんなさい。。。
でも、かっちょいいYAMAHAの車椅子なんか見ちゃうと、ため息がね。

…まだ足も手も動くのに、いまからなーに言ってんですかね、私は。

2015/04/16

電動歯ブラシでマッサージ

4月14日は、摂食障害リハに行った。今回で3回目。

前回より飲み込みが悪くなったことなどを相談。

最近、液体も少し飲みづらい。
ただ、液体については、嚥下の問題というより、
舌と下唇を上手く使えないために飲めていない気がすると言ったところ、

口回りの筋肉が固くなるのを防止するマッサージを教えてもらった。

電動歯ブラシのブラシじゃない側を口の裏側に当てて、
口の周りをぐるっとマッサージすると良いらしい。

右頬の裏側、下唇の裏側、左頬の裏側、上唇の裏側を、
それぞれ5往復くらいマッサージ。

ぶぶぶ…と顔全体に振動が伝わって、思いもよらぬ快感が!これは効きそう。

ちなみに私はソニッケア使用。3万回の高速振動で顔がプルプルします。

効くかどうかを別としても、かなり気持ちイイので、
電動歯ブラシをお持ちの方は、ぜひお試しください!

2015/04/12

バイバイよしぎゅう。

吉野家の牛丼が大好きで、以前は頻繁に行っていました。
松屋もすき屋も何かが違くて、吉野家がいいんです。

特に飲んだ後に食べるのが美味しいと思ってました。(←完全におっさん的行動)

具の載ったご飯系は、まだ食べられるかもと、
久しぶりに入ってみたのですが、、、ありゃりゃ箸で上手に食べられない。

でも、男性一人客ばかりの店内、あまりの静けさに、

「スプーンください。」と言えませんでした。。。


店構えが狭く、カウンターもコの字で向かいの人に見られてしまうので、

ハサミも躊躇して出せませんでした。

つながった牛肉も大きな玉ネギも飲み込めず、
紙に出してそっと捨てました。

小さなお店は、色々と気になります。
結局ほとんど残して帰りました。

1年前とは、やはり違うのだと思いました。

バイバイ、よしぎゅう。

2015/04/08

対照的な2つの映画

好きな監督2人の映画を観た。

1本は、クリント・イーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」。

アメリカ軍最強と言われたスナイパー、クリス・カイルの自伝を映画化した作品。

口コミの評価の高さに反して、鑑賞後の正直な感想は、
「えっ、ほんとにイーストウッドが撮ってる?」

子供を撃つのに躊躇するアメリカ人は正義で、子供に武器を持たせるイラク人は悪だから、
アメリカが戦争したのは仕方ないっていう論調は、ザ・共和党ライク。
そもそもイーストウッドが意図した反戦映画にすらなってない気が。
どちらかというと、スナイパーに憧れて入隊する若者を量産しそう。

どうして、クリス・カイルの自伝を選んだんだろう?
どちらかというと、後藤さんが救出しようとしたあの人にも似た、戦争マッチョなタイプ。

イーストウッドといえば、アメリカ人が触れたくないような、
アメリカのダークな側面をとりあげて、
でも希望はあるって思わせてくれるような映画を撮る監督だと思っていたのに。
今回はがっかりしかなかったなぁ。

アカデミー賞の各部門にノミネートされながら、
音響編集賞しか獲れなかったのにも納得。


もう1本は、三池崇史監督の「風に立つライオン」。

こちらも、実在の柴田紘一郎医師にインスパイアされた
さだまさしが作詞作曲した歌をもとに、映画化した作品。(※設定の一部が実話。)

三池監督の映画なので、
途中で破綻するか、破綻した人が出てくるのかと思っていたら、
今回はカオスなし(笑)。こちらはいい意味で裏切られた。

「アメリカン・スナイパー」と同じく、
戦争に巻き込まれる子供たちが出てくるけれど、
政治ではなく個人にフォーカスして、
なぜそうなってしまったのかを丁寧に描いているので素直に共感できる。

子供たちの笑顔が素敵すぎて、何度も泣きました。

しかもラストで、さだまさしの歌が流れてきちゃったら、もう・・・。

もう二度と戻らないと決めた日本に残してきた恋人に宛てた手紙。


泣きます。

2015/04/05

箱根へぷらっと、ひとり旅。

急に思い立って、ひとりで行っちゃいました。箱根。

日曜美術館で紹介していた岡田美術館に、どうしても行きたかったのです!

重い荷物は持てないので、超コンパクトな旅支度。
(なんで今まであんなに荷物持ってたんだろう。。。)

新宿、朝10時発のロマンスカー「スーパーはこね13号」で旅はスタート。


11時20分頃に箱根湯本到着。

予約しておいた、箱根水明館別館「ポサーダ」に向かう。
もう豪華なお食事とかは食べられないので、素泊まりの簡単な宿にした。
駅から近くて便利。でも、ホテルというより、宿泊所という感じ。
食事なしで、7,500円は高いかな~。

フロントで荷物を預かってもらい、箱根のバス乗り場へ。

岡田美術館は、小涌園のそば。
すぐに来た小涌園行きのバスに乗り、
バスの中でコンビニで買ったおにぎりをむしゃむしゃ。
20~25分ほどで美術館に着く。

「岡田美術館」は、5階建ての大きな美術館。
主に、古代~現代の日本美術を収蔵している。

実はこの美術館、2,800円という高額な入場料でもちょっと有名。
こんなに元気なのに障害者手帳使っちゃまずいかしら?(初めて使う)
ちょっとドキドキしながら出すと、1,000円引きで入場できた。

まずは横山大観の「霊峰一文字」に魅入る。
縦1メートル、横9メートルの富士の絵は圧巻の一言。

ここで一番観たかったのは、速水御舟の「炎舞」という絵…のはずだった。

ところが!いくら探してもないのだ。なぜ?!

美術館の人に聞くと、「その絵は山種美術館さんです。」との答えが。
とほほ、なんと東京にあるのね。(笑)
箱根まで来た意味をしょっぱなから否定され、自分の勘違いに打ちのめされたものの、
同じく御舟作の「木蓮」と、下村観山の「晩秋」という絵が素敵だったので、大満足。

この美術館には、なんと「足湯カフェ」が屋外にある。
風神雷神の巨大な壁画を眺めつつ、20分ほど足湯につかりつつコーヒーを。

ところが風が強く寒い日だったため、
急速に手が冷えて動かせなくなり、ちょっとまずい状態に。(汗;
館内で暖まるまで待って、なんとかバスでホテルに帰った。

夕食は、食べやすいものを探して、ホテルの隣にある「直吉」をチョイス。
人気店なので、1時間ほど待つ。

湯葉丼、美味しかった~。(れんげが重くてやや苦戦した。)












2日目は、チェックアウトして、強羅の「銀かつ亭」でランチ。

はい、上の写真とほぼ絵づらが一緒ですが、別のメニューです。
豆腐にひき肉を挟んだものを揚げたカツなので、柔らかくて美味しい。
(このお店も人気店なので、1時間ほど並びました。)


食事の後は、箱根在住の友人に車で「ポーラ美術館」まで送ってもらった。

ガラスづくりの美しい建物、明るくて広々としたつくりの素敵な美術館。
何度も来たくなる感じ。デートにおすすめ。

2時から4時半まで過ごして、バスと登山電車で湯本まで戻り、
6時半発のロマンスカーに乗って新宿へ。

ひとり旅だと、自分のペースで歩けるのでラクちん。
旅行はだんだん大変になってきたけど、日帰りにして食事を考慮すればまだ行けそう。
(いま一番食べやすいのはカレー。幸いどこにでもある。笑)

次はどこにしようかな♪

2015/04/01

桜ふたたび。

近所の桜が満開。

ちょうど去年の今頃、ALSと診断されて、
「来年の桜は見られるかな?」と思ったことを思い出した。

あれから1年経ったんだなぁ。

話しづらくなって、食べづらくなって、
口からの発症はつらいなぁとつい考えがちだったけれど、
まだ足が動くおかげで、こうしてお花見に行ける。

これからは、隣の芝生を気にするのはやめよう。
しゃべれる人をうらやむのはやめよう。
どこから発症しても、大変なのは同じ。

足が動く自分はついてる!
転ばないように気をつければ、まだどこへでも行ける。

自分のできることを楽しもう。

桜を見るとハッピーになる。すごいな桜は。


進行経過まとめ

【2013年】

9月頃から、少し滑舌が悪くなる。

12月頃:
ら行、な行、だ行が言いづらく、疲れると呂律が回らない。


【2014年】

1月:
左手親指に力が入らない。
脳梗塞かと思い、会社の近くの病院で診察を受ける。
MRI・MRAともに異常なし。頸椎に問題があるかも…ということで、
自宅近くの大学病院の神経内科に紹介状を依頼。

2月14日:
大学病院の神経内科初診。
MRIの所見では、脳には問題なし。
症状から疑われる病気がいくつかあり、
治せる病気と治せない病気があるが、
まずは治せる病気かどうかを検査でチェックするとのこと。
腰椎穿刺・血液検査20種類~を行う。

2月28日
筋電図(末梢伝導検査)を受ける。
検査の先生からは、良すぎるくらいとのコメント。

3月1日:
これまでの検査は異常なし。
ギランバレーの可能性があるので、
ガンマグロブリン集中投与の治療を5日間入院して行うとのこと。

3月10日(~1週間)
入院して各種検査(MRI・針筋電図・筋超音波・呼吸検査・反射検査)と、
免疫グロブリン(ベニロン)の5日間の集中投与を行う。
入院最終日に、運動ニューロン疾患は確実、ALSの可能性との告知がある。
進行により異なるが、1年~3年で車椅子になるとの説明。

3月中旬~4月:
退院後2週間程度で、四肢の脱力が少し進む。
足のひざ裏のつっぱりが悪化。立位、歩く際に痛い。
手・腹筋も筋肉痛のようなつっぱり感があり、
首周りが常にだるい。
会社を一旦休ませてもらうことにする。

4月11日: 外来診察日(3)
特定疾患の申請手続きをすることになった。

4月25日
特定疾患の申請を役所に提出。

5月中旬
帰省から戻ったアパートの階段を上るとき、
膝下に力が入りにくいことに気づく。
少しでも無事な筋肉を鍛えようと、
スクワットを毎日していたのがいけなかったのだろうか?

6月6日: 外来診察日(4)
歯科医に言われて気付いてはいたが、舌の委縮がはっきりと分かるようになった。
膝反射が亢進しているとの指摘を受ける。前回までは弱い亢進だった。
反射の亢進は、脊髄がコントロールできなくなっている証拠との説明を受ける。
実際に症状が気になる手よりも足の方が進んでいるらしい。
歩くにはまったく問題がない。階段を早く登ることはできなくなった。

6月中旬
ニューヨークから戻って以来、急に症状が進行した気がする。
足が踏ん張れない。腕にも力が入らない。
旅行で筋肉を使いすぎたのか?それとも歩く距離が減ったせいなのか?
細い箸が使いづらくなってきた。

6月下旬
プラセンタ注射を始める。(HGF効果を期待して。月4回程度)
レーシック手術を受ける。(コンタクトを入れるのが時々困難になってきたため)

わずかだが食べるのに少し困難を感じるようになった。
ちゃんと噛めていない。水分が口からこぼれてしまうことが多くなった。

7月上旬
水素水を飲み始める。
球麻痺症状が改善。プラセンタ効果、あるいは朗読リハビリの効果か?

7月18日: 外来診察日(5)
リルテックを飲み始める。

8月
右手にも箸が持ちづらいなどの症状が出始める。
左手は指が曲がってきた。

9月12日: 外来診察日(6)
舌と左手の委縮が顕著になる。膝の腱反射は、亢進。
ふくらはぎがつりやすいなどの痙性症状がでてきていることから、
上位ニューロンの阻害が進んできていると考えられるとのこと。
歩行はまだ問題ないが、しゃがんだ状態からの立ち上がりに時間がかかる。(ガワーズ兆候)
右手も脱力を感じ始めてきたため、
洗濯物を干す、皿を洗うなどの家事に若干支障がでてきた。
フォークとナイフを使うような食事が疲れるようになった。
球麻痺症状は進んでいないので、リルテックの効果があるのかもしれない。

10月
左手は薬指も曲がってきて、いわゆる鷲手になりつつある。震えもでてきた。
麺をすれなくなり、箸では麺類が食べられなくなった。
少し息が苦しい時がある。

11月
プラセンタで足の症状が改善。(歩きやすい、しゃがんだ状態から手を使って立てる。)
右手首の力が弱くなる。(鍵やポストのダイヤルなどが回しにくい。)

11月15日: 外来診察日(7)
顎反射が弱く亢進。

11月20日
グルタチオン点滴をはじめる。(週1~2回。1回/1,000mg)
足に力が入るようになり、歩きやすくなった。
水素水、プラセンタ、コエンザイムQ10、リルテックの効果が出始めているのかもしれず、
グルタチオンだけの効果かどうかは不明。
足の調子が良いので、お伊勢参りに行った。

12月16日: 外来診察日(8)
右手の脱力が気になってきた。

12月下旬:
味覚障害になり、甘味などが分からなくなる。
リルテック、グルタチオンのどちらが原因か分からないので、
グルタチオンを3週間中止する。
亜鉛サプリを併用し、2週間で味覚が戻ってきた。

マル都医療券が届く(有効期間:2015年7月31日まで)


【2015年】

1月:
手足の症状、飲み込みなどが悪化。
グルタチオンの効果が切れた可能性もあるため、再開(1,400㎎)
効果のほどは不明。

左手でコップが持てなくなった。PC操作の際、腕が疲れる。
右手もクリップなどが開けない。
歩行は問題なし。疲れると脱力することがある。
登り階段がややつらく、エレベーターを利用することが多くなった。
食事後や座位で、少し息苦しいことがある。

細かく刻まないと食べられない食材が増えた。
ストローで液体を飲むのがつらい。(吸い込みにくい)
左上腕部の脱力が進み、突っ張って痛む。

2月:
ストローで全く飲むことができなくなる。
食事の途中であごが疲れてしまう。
カロリーのある食事をとっているのに、体重が1月で2キロ減少。

3月
鼻から入れる内視鏡を使った嚥下テストを実施。
嚥下機能は保持されているとの結果に安心する。
ただ、食事の途中に疲れてしまうことが多くなった。

障害者手帳(3級)が支給される。

4月
左手、左腕の脱力がさらに進行。
ドライヤーが持てない。薬指が動かなくなり、キーボードは主に右手で打つ。
右腕の脱力も進んできた。右手が頼りなので不安。

時々、唾液が飲み込めずえづく。
長時間、話せない。

5月上旬
グルタチオンは副作用が気になり中止(舌の痺れ・味覚障害)

5月26日:ラジカット自費投与開始(1本/週2~3回)
疲労感の緩和。指が伸ばせるようになる。効果を感じる。

6月
ラジカットで疲労感が緩和され、動きやすくはなったが、
進行は止まらず。

錠剤が飲みにくい。
洗顔が困難になる。(首の脱力で下を向いた姿勢が継続できない。手の脱力のため洗えない。)
首が安定しないので、すぐに疲れる。
食事に時間がかかるようになった。