2015/11/23

入院中に学んだこと。

​筋力低下とか、耐性菌の感染リスクとか、
入院はできればごめんこうむりたいイベントだけど、
肩書きや地位もメイクも取り去って、
病衣1枚だけの勝負になると、逆に人となりがよく見えて面白い。

患者としてのふるまいも、学べるところが多々あって、
良い経験になったと思う。

5人部屋の私の向かいのベッドにいた私より少し年上の女性は、
脊髄損傷で1年近く入院されていた。

首から下はほとんど動かせないけれど、言葉は普通に話せるので、
食事介助や身の回りの世話などで、
入れ替わり立ち替り来る病院のスタッフとの愉快なやりとりが、
いつも聞こえてきて楽しかった。

そんなある日、ふと気づいた。

彼女は、本当に大丈夫になるまで「大丈夫」って言わない。
私は、多少不満があっても、心地よくなくても、
「あー、大丈夫です」って、つい言ってしまう。

それは、あとでいくらでも自分で修正ができるから。
でも彼女は、まわりの人が直してくれない限り、改善されることはない。

だから、何度も、何度でも、
「それ、違うから」
「今度から、こうしてください」
って、辛抱づよく説明する。

次第に、スタッフが自然にできるようになってきて、
それは、スタッフ自身の財産にもなるのだと思う。

彼女が、私より先に転院することになった日、
たくさんの先生や看護師、医療スタッフが彼女に挨拶にやってきた。
「勉強になりました。ありがとう」と、みんながお礼を言っていたのが印象的だった。

介護される側の心得は、
「感謝をしつつ、きちんと要望を伝えること。」なんだと、私も彼女から教わった。

このエピソードは、8月の話だけれど、
母や在宅の看護師さんにお願いすることがだんだんと増えてきて、
やってもらえることに、慣れすぎてしまわないように、
あとから読み返せるように書いておこうと思う。

2015/11/19

入院中、こころに残った言葉。

入院していた病棟に、脊髄損傷の男性患者さんがいた。

治験を受けているそうで、私が入院しているわずかの間に、
全く動けない状態だった状態からみるみる回復して、杖なしで歩くまでになった。
明るくてフレンドリーな人で、いつも様々な患者さんと話していた。
私は、どんどん治っていくことに羨ましいという気持ちを抑えられなくて、
あまり多くは話さなかったのだけれど、
退院前日に彼が言った言葉がとても印象に残っている。

「指一本でも絶望するやつもいれば、指一本しか動かないのに楽しそうなやつもいる。」

私たちは、つい失ったものにフォーカスしてしまいがち。
彼は一時的に首から下が動かせなくなった経験があるから、何かをさとったのだろう。

いまは私も、もし他の部分が無事に動くなら、
足の一本動かないくらいでは、平然としていられる自信がある。
足が動かなくても手が動くじゃん、ラッキーって言える。

ALSになる前だったら、小指一本動かないだけでも、
この世の不幸をすべて背負った気になっていたかも。

とはいえ、指一本でも楽しそうにしていられるかというと、
それは、私には無理だと思う。

2015/10/29

デパケンの思わぬ効果

バイパップのマスクが重くて、変な首の向きで寝ているせいか、
片頭痛が連日続いて大弱り。

特に片頭痛の特効薬、トリプタン製剤は、
飲んだ後にとてもだるくなるため、脱力が悪化して呼吸が苦しくなり、
体調悪化が甚だしい。

それでも痛さには耐えきれず、
ほぼ毎日頭痛薬のお世話になっていたので、
「ためしてガッテン!」の頭痛特集でやっていた、
予防薬、「デパケンR」を処方してもらうことに。

元々は、抗てんかん薬らしい。

即効性はないとのことだったが、
飲み始めて3日間とも、頭痛は起きていない。

それにしてもこの薬、なんだかお腹が空くのです。
食事が美味しく食べられるのは有難い!

調べてみたら、副作用として肥満をうったえている方が多いようで。
もしかしたら体重増えるかも?!

増えて欲しいなぁ。

2015/10/22

医師のディシジョン、患者のディシジョン。

いままで、東京で診てもらっていた大学病院の主治医の先生からは、
「~をしてみましょう。」と言われたことがあまりなく、

「特定疾患の申請をするんですよね?」とか、
「リルテック飲みたいのですが」とか、
「そろそろ障害者手帳とりたいのですが」とか、
「ラジカットどうでしょう?」とか、
こちらからアプローチして、物事が進んで行くという感じだった。

歩いていたし、見た目が元気だったからだろうか、
外来ではほとんど検査はしなかった。

ところが札幌の転院先の病院で、初めて医師から指示を受けた。

「1年間何も検査をしていないようなので、ラジカットのついでに入院して検査しましょう。」

そして入院して調べた結果、
「胃ろうをつけるにはぎりぎりのタイミングです。」と告げられ、
いまに至っている。

当時は、「まだ飲み込めるし必要ないんじゃないか?」と思っていたけれど、
2ヶ月後の現在、食べられる量は8月頃の3分の1程度にガクッと減った。

口からの3食の食事プラス、胃ろうからの栄養剤(ラコール)800キロカロリー。

それだけ入れても、体重減少に歯止めがきかない。
身長171センチなのに、体重は30キロ台になってしまった、、、

もし、札幌に転居していなかったら。
もし、先生が胃ろうを勧めてなかったら。
もし、私が胃ろうを迷って先延ばししていたら。

冗談抜きで、いまごろ死んでいたかも。


もし、摂食障害があって、体重が減少傾向なのに食事が増やせないなら、
それをきちんと医師に伝え、判断を仰いだ方がいいと思う。
検査のうえ医師が必要ないと言えば、安心だ。

体重減少は予後の命運を分ける。
でも、一旦減った体重を取り戻すのは、容易じゃない。

ほんと、大変なんですから。。。



2015/09/28

胃ろうの手術は大変?!

8月10日、胃ろう増設手術とラジカット2クール目のため、
大学病院に2度目の入院をした。

嚥下機能は保持していたのに胃ろう手術となったのは、
呼吸器検査の結果、%肺活量(VC)が低かったため。

%肺活量(VC)とは、
肺活量を年齢と身長によって計算した予測正常値と比較した値。

私の場合は、54%。普通の人の約6割。

ALSの場合、胃ろうは50%以上あるうちに導入することを推奨している。
なぜなら50%を切ると手術中に呼吸不全になる可能性が出てくるので、
内視鏡手術にリスクが出てしまうかららしい。

この1年間、色々と調べて、
体重減少はALSの予後に大きな影響があるとは理解していたので、
いつか胃ろうをつけるのは止む無し。…とは覚悟していたものの、
こんなにすぐ「いつか」がやってきたのはやはりショックではあった。

まぁ、気持ちを切り替えてやるしかない。
だってやらないと死んじゃうもんね。
そんな淡々とした実感の薄いなか、あっという間に手術前日に。

まず前日に、鼻からチューブを入れてお腹にガスを入れCTを撮る検査をする。

胃カメラが得意な人は楽勝だと思う。
でも、私は胃カメラ経験なし。

するするする~っとチューブが鼻を通過するとたちまち、
オエー、オエー。…く、苦しい。とてつもなく。
私はどうやら嚥下反射が強い人らしい。
手術の内視鏡はもっと太いと聞いて、ブルーになった。。。

胃ろう手術当日。
朝食だけ抜いて、いよいよ手術室へ。
まずは別の部屋で鼻に麻酔をかける。
キシロカインを注入するだけなので、おとなしく待つ。

ふと、若い先生が何人も待っている手術室が目に入った。
「いやな予感、、、」
はたして予感的中、衆人環視の中、
何の断りも、滞りもなく手術開始。ぎゃー、恥ずかしい。
もうガリガリですし、見てもなんとも思わないでしょうけど、
おっぱいポロリですよ。。。(泣;

「これより内視鏡胃ろう造設手術を行います。(みたいな内容)」の声に、
つい、「はい」と返事をしてしまう。
…私に言ったわけではないらしい。気まずい。

が、そんなことは内視鏡が鼻に挿し込まれた途端にどうでも良くなった。
くるしーい!暴れたので、足をしっかとつかまれる。

心拍数MAX、パニック状態の中、手を握ってくれた人が!
見上げると、立ち会ってくれた神経内科の先生だった。(手術は内科の先生が担当する)
先生の優しい笑顔を見た途端、急に力が抜けて楽になった。

「は~い、少し痛いですよ。」

え、身体が少しねじれてますけど…と言う間もなくバチバチ。
ホッチキスのようなもので3ヶ所を留める。

「は~い、少し押されますよ。」

これって麻酔効いてます?ってくらい痛い。

「もう1回だけ押されます。あともう少しですよ。」

バンパーを埋め込む感触があり、終了。(約45分)

神経内科の先生は、
手術が終わるまでずっと手を握っていてくれて、声かけしてくれて、
本当に心強かった。先生なしでは乗り切れなかったかも。ありがたや~。


でも終わった後が、さらに大変だった。

猛烈に痛い。
ねじった態勢で留めた最初のホチキスが引っ張らさっているのかもしれない。

最初ボルタレンの座薬を使ったけれど、
全く効かなくて、ロピオンという鎮静剤を点滴した。
それでも痛くて、泣きそうに痛くて、
丸2日くらい右向いた態勢のまま、ベッドの上で固まっていた。
手術の晩と、翌日は絶食だったけれど、
そうじゃなくても食べる気にもならなかった。


胃ろうについてネットで調べると、
「胃ろうの手術は1時間程度で済む簡単な手術です。」とある。

確かに施術は簡単だけれど、簡単=楽ちん、ではない。

ALSの患者さんは、胃ろうの時期を引き延ばしてしまいがち。
でも、この手術を、口も利けない。身体を動かせず痛くても寝返りも打てない。
そんな状態で受けるとしたら・・・。
想像するだけでオソロシイ。

術後は楽な人もいるらしいので、絶対ではないけれど、
自分の経験だけでいうなら、胃ろうの検討は早めにした方がいいと思う。

2015/09/02

悲喜こもごも。その2

さて、ようやっと前々回の続きをば。

ラジカット1stクールは、
なんとか7月に入院して受けることが決まったけれど、
2ndクール以降は、目途が立っていなかった。

大学病院でも当たっているけれど、自宅近くでも探すように言われていたので、
プラセンタを打っていた病院に相談してみた。
その病院は産婦人科だったので無理という回答だったけれど、
「どこか訪問診療のクリニックを知りませんか?」と聞いてみたら、
快く一か所、良さそうな病院を教えてくれた。

いよいよ無かったら、訪問診療が良いかもと、
以前銀座のクリニックの院長先生にアドバイスをもらっていたおかげ。
色んな人に助けられていると思う。

外来はやっておらず、訪問診療のみのクリニックらしい。
ウェブサイトがあったので、ラジカットの事情を含め、メールしてみたところ、
院長先生から、前向きな返事が!

ただ、初めての試みなので、
最終的には大学病院の医師と話してから決めたいとのこと。

早速入院初日に、大学病院側の医師に相談してみたところ、
連絡を取って話してくれることに。
あとで知ったのだけれど、地域の医療機関と積極的に連携してるようで、
先生方の対応も超スピーディ。

あっという間に連絡を取ってくれて、私の診療情報も共有した上で、
先方のクリニックから、一度顔合わせしてから、引き受けるか決めたいという連絡が来て、
面談日が決まった。
そう聞いて、そういえばまだ一度もお会いしてないことに気づいた。あはは。私らしいけど(笑)

面談日には、なんと6人もの方々にお越しいただいてびっくり。
院長先生、ソーシャルワーカー、ケアマネージャー、看護師3名。

どうやら、今後の介護生活のことまで考えてくれたらしい。

札幌に移ったら、話せるうちに介護事業者の当たりをつけねばと思っていたので、
まさに渡りに舟!

ラジカットと、ケアマネージャー。
宿題が2つも片付いてしまった。

その勢いで、胃ろうの入院日も決めてしまい、1週間後に再入院することになった。
2週間後にはお腹にボタン。。。
まさに覚悟を決めた一日だった。

いやいやだったけど、結果的には入院して良かった~!

次回は胃ろうの手術について書きますね。

2015/08/30

ついに退院!

前回、続きは次回…と書いておきながら、はや1ヶ月も経ってたんですね。。。

いつのまにか札幌は秋になってるし。


胃ろう増設とラジカットの2クール目のため、
1回目の入院から1週間あけて再入院して、手術して、今週火曜日に無事退院しました。

病院は、PCはOKだけど、WiFiルータ持ち込み不可というきまり。
ネットにつながらないPCって、意味ないでしょ。
意思伝達装置としてはまだ必要ないし。

書きたいことは多々あれど、Phoneだとなんだかまとまらないんだなぁ。。。
…なんて考えてるうちにあっという間に月末に。


退院してPC立ち上げて、焦りましたよ。

だって打てないんですもん。

指、、、動かない。動け、指。

そう、筋肉は使わないと死んじゃうんでした。
iPhoneで使っていた右手の親指は無事。

リハビリせねばと、無理やりキーボードで打ってます。
まだ残っている神経がある…はず、、、つ、つらい。
キーボードってこんなに重かったっけ???

入院は寝たきりへの第一歩。
ラジカットで入院しても、廃用防止のため、動かせる部分は毎日動かしましょう。

2015/08/02

悲喜こもごも。

ラジカット1クールも無事完了したので、晴れて退院♪
結局17日間の入院となった。

引っ越したら、北海道の夏を満喫する気マンマンだったので、
外来で点滴ができないための入院にはかなり抵抗があった。
でも、先生や医療スタッフとも充分な話し合いをする時間が持てて、
結果的には、入院して良かったと思う。

言葉がうまく話せなくなってきているので、少し心配だった大部屋も、
合部屋が良い方ばかりで居心地がよく、むしろ個室より楽しかったかも。

残念ながら、検査結果はあまり良い内容ではなかったのだが…。


往生際が悪いけれど、まだALSじゃないってこともあるのかなと、
実は少しだけ期待している自分がいた。

でも、その淡い期待は、覚悟に変えるしかない結論だった。

針筋電図は、腕・足・肩すべての箇所で、ALS患者特有の波形を検出。

ラジカット投与前と後に行った呼吸機能検査は、%VCが54%と、
同年齢、同じ骨格の健常な女性と比較して6割という結果に。

%VCが50%を切ると、麻酔での内視鏡手術にリスクを伴うため、
躊躇なく胃ろう手術を行うべき状態らしい。

※参考:Live today tomorrowのページへ
http://www.als.gr.jp/staff/seminar/seminar49/seminar49_02.html

NIPPV(鼻マスク)も、%VCが50%以下が導入の目安なので、
さっそく入院中に試すことに。

そこで、退院までに決める課題が3つになった。

・胃ろう手術をどうするか。
・呼吸器をどうするか。
・ラジカットの今後をどこで受けるか。

ところが、本人がたいして心配する間もなく、
本人の希望を伝えるだけで、
医療スタッフ間の見事な連携プレイで、どんどん物事が進んでゆく。

いままでは自分で動かないと何も決まらなかったので、
これには感動したのだった。続きは次回。

2015/07/26

治る気はまんまんですが…しかし。

入院してのラジカット点滴も、
11回目が終了して先が見えてきた。

連日投与しての効果の実感としては、、、

ラジカットは、進行そのものを止めるものではない気がする。
左手も右手もどんどん動かせなくなっており、
歩ける距離も減ってきた。10分も歩くとヘトヘトだ。

ただ、疲労感が緩和されるので、
運動して翌日ダウンということがない。
動かすことができる部分をリハビリしていたら、
体幹がやや保持できるようになってきた。
これなら映画を見ることくらいはできそうかな♪

あくまで私の場合だけれど、身体を動かすことをセットにしないと、
ラジカットは効果を発揮しないようだ。
打つ前は、少し身体を動かすと翌日だるくて逆効果だった。

少し気を良くして、リハビリに励んでいたのに、
残念ながら検査結果がちょっと最悪で、、、あさって先生から家族にも告知がある。

治る気はまんまんですが、
そんなに長くは待てないかも。

でも、Googleにちょっと期待できるニュースが載っていたので、
少し励まされました。

▼有効な手段がないALS 新しい「遺伝子治療」に期待が高まる
http://www.news-postseven.com/archives/20150725_336977.html?PAGE=1#container

まだ負けるわけにはいかないですからね。


2015/07/20

ラジカット難民・その2

ラジカット点滴のため入院中。点滴は今日で6回目。

採血や失敗して刺し直しなどもあるので、
皮膚の色が変わってきて、ひじを曲げると少し痛い。。。
やはり毎日だと負担が大きいですね。
でも、首が安定して明らかにADLが向上したので、嬉しい。

さて、次のクールを受ける目途がまだ立ってないのですが、
どうやらそれには、病院のリソース以外にも理由があるようだ。

問題となっているのは、「DPC包括評価方式」と呼ばれる保険点数の計算方式。

DPC包括評価では、患者の病名・症状・治療行為をもとに、
厚生労働省が定めた1日当たりの定額点数+出来高で計算する。

制度については、下記の日医工さんの資料が大変分かりやすい。
http://www.nichiiko.co.jp/stu-ge/phplib/s_getdoc_mpi.php?member=&filepath=357DPC2014.pdf

つまり、ALSだったら標準的な点数は1日○点と決められているので、
ラジカットのような高額な薬剤を使うと、病院が赤字になるらしい。
そのため、医療者が打ってあげたいと思っても、打てない。
ましてや紹介もできない…という事態が発生。

脳梗塞へのエダラボン使用では、包括から外して出来高払いとしているのだから、
この事態は認可する前から分かっていたわけで、
高額薬剤判定が後手に回るのは確信犯的というか、あるいは厚生労働省の怠慢?

色々検索していたら、日本ALS協会も今年2月に厚労省に要望書を出していた。
http://www.alsjapan.org/__uploads/documents/14262512006271426251200.pdf

項目3を見ると、どうやら訪問診療に点滴をお願いする作戦にも問題がありそう。

厚生労働省は、いったいどーせいというつもりなんでしょう?
こういうことで、医療関係者や患者の手間を増やすのは理不尽だと思う。

2015/07/09

ラジカット難民。

さて、ラジカットの話の続きです。

ラジカット点滴を間を置かずに受けたかったので、
札幌に引っ越してすぐに、疲れ切った身体にムチ打って、
転院先の大学病院に行ったのですが、、、

問診票に、「効果があったので、ラジカットを受けたい。」と書いておいたところ、
先生から開口一番、

「う~ん、今日ラジカットを投与するのは、難しいね。」

ええ~、こんな大病院でもダメとはなぜに?!

「製薬会社からプロトコルを知らされたのが最近なので、まだ対応を決めてないんですよ。
治療する場所もないし。」

確かに15畳ほどのスペースをカーテンで仕切って3つの診察室として使っている。
古い病院なので、処置スペースも2畳ほどの空間しかない。
点滴2本で1時間と考えると、2週間毎日複数の患者をさばくのは確かに無理だ。

「他病院を紹介しようにも、個人の神経内科病院が札幌にはないんですよ。」

それは事実。事前に自費診療できそうな病院をネットで調べていたので、
札幌にはそういう病院が無い。。。

でも、椅子でもどこでもいいので受けたいなぁ。
今日だって、朝10時半に受付して、診察は3時半。
その待ち時間に待合いで打てますよ~、先生。

やむなく、とりあえず初回の2週間は、入院を前提に打ってくれることになった。

その後の継続的な治療は、なんとか通院で受けられないものか。
どこか探さねば。。。
高価な薬剤費が病院の負担になるので、探すのは容易じゃない気がする。

ラジカットでせっかく疲労感がとれても、入院しているのではあまり意味がない。
筋力も確実に落ちてしまうし、
QOLが落ちてしまうのでは、本来の治療の目的を見失う。

1日2パック、2週間連続投与。2週間休薬。
1日1パック、週3回でも効果を感じたし、毎日打っても治るわけじゃない。
生活を維持するための薬なのに。

患者や医師の声に耳を傾けていただき、
このような非現実的なプロトコルは改善して欲しい。

厚生労働省の皆様、よろしくお願いします!
保険適用は、本当にありがたいと思っています。

ぜひ使える制度に。

2015/07/06

さよなら東京ウィーク

7月頭、東京から札幌に転居しました。

6月末の怒涛の一週間。
本当に、多くの方々にお世話になりました。
大げさでなく、一生分の御恩をいっぺんに受けてしまった気がします。

とはいえ、連日の通院&引っ越し作業には疲労困憊でした。

ラジカットで疲労が緩和されたとはいえ、
支えられない首で荷造りを頑張りすぎたせいか、
この1~2ヶ月で急にスピードアップした進行はさらに加速し、
洗顔もできなくなり、PCも打つのがつらい状況に。。。
足も10分歩くのがやっとという感じ。

ラジカットは、あまり進んでいない個所には劇的に効いていますが、
腕とかある程度脱力してしまった部分には、まったく効果がない感じです。

やはり、早いうちなら効果があるかも?という薬なのかもしれません。

それでも打つと身体がラクなので、
転院先では、早速保険で…と思っていたのですが、

…ところが、そう簡単な話ではなかったのです。

(首が限界なので) 続きは明日。

2015/06/20

エダラボン、ジェネリックで継続中

ラジカットはやはり高いので、最安値のジェネリック(ニプロ)で継続中。

打ってる最中にスーっと爽やかな気分になってくるのは同じ。
私には効いていると思います。
残念ながら手足の進行は止まってないですが、
疲労感が緩和されるので以前より話しやすい気がします。
ぐらぐらしていた首や体幹も楽になりました。

複数の先生の話を総合すると、
7月にALSに保険適用される線が濃厚な感じです!
前倒しでALSデーのサプライズになったらいいなぁ。

先人の皆様の署名活動のおかげですね。
ありがたいです。

2015/06/15

wimax2に切り替えちゃダメ!

So-netから、wimaxは9月を目途に速度が順次遅くなるので、
wimax2に切り替えた方が良いという案内がきた。

キャッシュバックなどを考えると、
他のプロバイダに切り替えた方がトクな気もしたけど、
これ以上メールアドレスが増えると管理が面倒になるので、wimax2で更新した。

ギガ放題なので、当然早くなるかと思いきや、、、

とんでもなく遅い!特に夜間。

動画うんぬんの問題ではなく、普通のウェブページですら遅い。
ブログの保存すらエラーになる。

スマホだと3Gよりも遅く感じる。これはひどい。

切り替える前のwimaxは、全然快適だったので、
これなら通信量の制限がないwimaxの方が全然マシ。

wimax2では、レッツノートの内蔵ルータも使えなくなったし、
これでは不便になっただけ。
療養生活では、ネット環境は重要なのに~(泣)。

検討されている方は、絶対wimax2にはしない方がいいです!!!

この状態で2年しばりだと考えると、けっこう頭にきています。
これは詐欺だと思う。

2015/06/13

ものすごく健康体で。

ラジカット投与7回目終了後、血液検査を行った。

結果、異常なし。

肝機能、コレステロール、尿酸、血糖値、白血球、赤血球、CK値、CRP…もろもろ正常値。
中性脂肪なんて下がってる!

ファンケルで測った血管年齢74歳だったのだが、
血圧も正常範囲だし、動脈硬化の所見は見当たらない。
あれは何だったのだろう?当てにならないな~。

血液検査の数字の上では、文句なしの健康体。

なのに、動かないカラダ。ALSってつくづくヘンな病気だ。。。


ラジカット効果で、調子が良い状態が続いているので、
価格が半分のジェネリックに切り替えて、続けることにする。

保険が適用になる前には、製薬会社が沢山売り込みに来るのが通例らしい。
エダラボンについては、まったく音沙汰はないようだ。

日本年金機構不正アクセス問題とか、MERSの対応で、
厚労省の通常業務が遅延とか?

ALSへのガイドラインが決まらないとか?
毎日なのか、週○本なのか、続けて打つのか、休薬するのか。

7月に適用になるといいのだけれど・・・。こんなに効いているのに。

2015/06/09

Googleさん、お願いです!

ALS患者のためのコミュニケーションツールは色々あれど、

「スイッチひとつで操作する」という前提のため、
とても入力に時間がかかる。

しゃべりは怪しいけど、まだ手は動くので、
過渡期の患者にはもう少しライトな入力ツールが欲しい。

うーん、なんかもっといいものないのかな?と探していたら、
こんなものが?!

Google日本語入力 モールスバージョン(β版)


モールス信号は、.(トン・単音)と、_(ツー・長音)の組み合わせで入力する。
スペースキーひとつで、日本語が入力できるスグレモノ。

練習モードがあり、最初はうまく打てないけれど、
すぐに慣れるし、なかなか便利。
1文字削除だけでなく、×(全クリア)もモールスで出来るともっといいけど。


さっそくダウンロードしてみたら、モールス変換に切り替えるモードが見当たらない?

使い方をググっていたら、衝撃の事実が。

どうやらGoogleのエイプリルフールのパロディだったらしい。。。


真剣な患者を弄ぶなんて、ひどいよGoogleさん…(泣;
モールス信号、覚えようとしちゃったよ。(T_T)

どうかどうか本番化してくださいませ、できれば、iOS版もお願いします。
外出先で使える入力ツールが欲しいんです。

どこに頼めばいいんでしょう?

さみしいけれど、前に進む。

実家に戻るため、6月末で会社を退職しました。

もう二度と会社員という肩書に戻ることはないのかも?と思ったら、
実感がじわじわと・・・うーん、さみしい。

入社3ヶ月の試用期間中に病気になってしまったというのに、
正社員として1年以上在籍させてくれた懐の深い会社でした。

出版社からコンサルティング会社への異業種転職だったので、
短い間でも、多々得るものがありました。
一方私自身は、会社の利益にほとんど貢献できず、
できれば土下座してお詫びしたい感じです。

でも、1つ形になる仕事ができたのは、うれしかった。

ありがとうございました。一生忘れません。

2015/06/03

情報の普遍化を阻むモノとは?

ALS患者さんのSNS発信はかなり活発なので、
「呼吸器をつければ生きられる病気」という事実は、
いまや初期の患者にとって、最も簡単にリーチできる情報となっているように思う。

ところが、「どうやったらその環境を整備できるのか」について、
まとまったものとして得るのは難しい。

自治体ごとにバラつきが指摘されている介護保険での支給時間など、
本当に知りたい情報はなぜ公開されないのだろうとかねてから疑問を感じていた。

けれども、情報収集したり、患者会などに出るうちに分かってきたことがある。

情報の普遍化は、かなり難しいということ。

理由は3つ。

1つ目は、24時間介護は、ALSの、しかも限られた患者の優遇処置だという点。

たとえば、昨日アップされた下記の記事。

札幌の24時間介護訴訟、原告が上告 市認定の介護時間、妥当か(道新ウェブ 6/2付)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/lifestyle/senior/news/2-0026633.html

札幌市の重度心身障害者が、
現在540時間の介護サービスの支給を720時間に引き上げるべく裁判を起こした。
しかし、一審二審ともに訴えを退けたため、最高裁に上告したというニュースだ。

札幌市では、24時間介護(720時間)の支給は、
「進行性筋萎縮症で常に人工呼吸器を装着している」などの条件を満たす身障者に限定している。

条件を満たさない場合(満たす場合であっても)、
多くの患者は、役所との交渉などを重ね、陳情を何度も繰り返していたりする。

つまり、認定されているサービスは、
個人個人に限定された優遇措置である場合があり、
他の人にも適用できるかは分からない。


普遍化できない2つ目の理由は、リソースが限られているという点。

上述の札幌市の患者で、720時間介護を受けているのは、
2013年の情報によると10人程度。

もし、条件を満たす患者が増えた場合、
サービスが見直され、時間数が減らされてしまう可能性がある。
それでは、現サービス受給者において、情報を広く共有する意味がない。


3つ目の理由は、自治体同士の競争原理が働き得ないということ。

仮にある自治体がとても福祉サービスに優れていたとして、
他の自治体からサービス受給者が転居してきてしまうと、
予算が増えるなど、自治体にとってはジレンマとなってしまう。


以上の理由で、(あくまで私見ではあるけれど)
自治体ごとの介護情報をデータベース化するのは、かなり難しい作業なのではないか。
本来なら自治体ごとの不平等を放置せず、国が最低限の基準を示すべきだと思う。

ただ、それが示された場合、ALS患者にとって良い結果にならないかも。
24時間介護を受けられる権利がなぜALSだけに認められているのか説明できなければ、
難病新法のように下方修正される可能性が高い。

グレーゾーンが生命を左右する。だから国も容易には線引きできない。
安倍政権は、やりたそうですが。

2015/06/01

血管年齢がスゴイことに。

ファンケルにあった血管年齢測定コーナーでふと測ってみる。

これだけ抗酸化に気をつけている毎日なので、
さぞかし良い結果がでるかと思いきや、

「あなたの血管年齢は、74才です。」

が~ん。

7キロ体重が減ったので、
これ以上痩せないように、ハイカロリーなものばかり食べてたから?

それとも運動不足?

実年齢より30近く多いというのは、さすがにマズイ…かも。

1日4食は内容を見直さなくてはだなぁ。。。

2015/05/31

続・峠の釜めし

先日、「うれしや、峠の釜めし」で、
横川の釜めしを食べた話を書きましたが、

ずっと前からやってみたかったことがあったんです。

それは、「釜めしの空き釜で、ご飯を炊く」。

ついに、やってみました!



米1カップに、水160cc、弱火で15分、蒸らし10分。
少し硬いけど、意外と簡単で美味しいかも!

ちゃんと炊けるんですねぇ。(笑)

電気釜をセットするのが、重くてしんどかったので、
これからは、これでいいかも。
次回はお米を潤かしてから炊いてみようっと。

満足満足♪

ラジカット経過(~3回目)

ラジカット、火・木・金と計3回、投与しました。

2回目以降は1回目のような劇的な変化はなかったのですが、
左足の踏みしめ感が少し戻った気が。
足だけだったグルタチオンより全身に効果が実感できています。

3回目の後に少し気分が悪くなりましたが、点滴のせいかは分かりません。
最近、外出中に突然呼吸が苦しくなることがあるので、
自分の唾液がつまって、吐き気が起きただけかも。

特に食事の後と、会話や歩行中にも息切れが起きます。
お腹いっぱい食べると後がツライ。

でも、ラジカットを打ってから、安静時に苦しいのは改善しました。

合わせてアスタキサンチンも飲んで、抗酸化祭りを盛り上げてます。
フリーラジカル、フリー?!

このまま週3回、あと2週間続けます。

次の報告は2週間後に。

2015/05/27

ラジカットはじめました。

最近急に進行してきた感があるので、
思い切ってラジカットを試してみることにしました。

タチオンでお世話になっている病院にお願いしてみたところ、
ラジカットの点滴キットは、購入ロットが10本なので、
薬剤費だけ一括前払いでかまわなければOKとのこと。
いつもスピーディに対応してくれる先生には、本当に感謝です。

高価ですが、副作用のリスクは少なそうですし、
まずは10本購入して、効果を試すことにしました。

早速今日の夕方、1回目の点滴をしたところ、
家に帰ってから、ふと、指を見たら、
曲がっていた左手の指が、
なんと真っ直ぐに伸ばせるようになっているではないですか?!
自力ではほとんど伸ばせなくなっていたので、驚きです。

それにしても、こんなにすぐに効果がでるものなのでしょーか?
ワタシ単純だから、プラセボ効果?
まぁ結果が出るのなら、このさいプラセボ効果でもなんでもいいですけれども。

ラジカットは、7月にはALSに保険適用になる見込みがあるとか。
無職で毎月10万円を続けるのはちょっとしんどいですから、
札幌に行く頃には、保険で受けられるようになると嬉しいな。
ちょっと期待してます。

2015/05/25

うれしや、峠の釜めし。

今日デパ地下で「峠の釜めし」を発見!

大好きなんです。食べられるうちにもう一度出会えて嬉しいぞ。(泣;



そうそう、この漬物セットに入っているわさび漬けがいい働きをする。



もー、しあわせです、大満足です。。。



昔はスキーの帰りに良く買ったっけ。当時は確か700円だったような。
今のお値段は1,000円だったから、ずいぶん上がったのね~。

ごちそう様でした。

2015/05/22

もう次の医療券の更新が

新制度に切り替わって最初の医療券は、有効期限が人によって違うらしい。
(病気によって違うのかな?)

私の場合は、2015年7月31日まで。
先日、次の更新手続きの案内が送られてきた。

それで今日、病院に依頼していた診断書が出来てきたので、
それを受け取った足で、区役所に更新へ。手間はなるべく一度に済ませたい。

かかった費用、診断書3,620円、課税証明400円、交通費。

医療券の恩恵>更新コストなので、文句を言う筋合いではないけれど、

同じ役所内なのに、課税証明がいるというのがどうにも納得できないところ。
何のためのIT化?

しかも右の棟から左の棟に長い廊下を行ったり来たりしなくてはならず、
病人に配慮しているとはいいがたい。

国民総ナンバー制になったら、ぜひ改善して欲しい。

2015/05/21

ちょっとマズイ感じ。

ここ数日気になってはいたけれど、急に構音障害が進行してしまった感が。

病院に行っても、まともに話せない。
先生は慣れているので、なんとか聞き取ってもらえているけれど、
電話はすでに家族から聞き取れないと言われてしまう始末。

これから引越しの手配とか色々控えてるのに、困ったなぁ。。。
一時的な症状だといいけど。
友達と会う予定もいっぱい入れちゃったよ~(汗;

グルタチオンの効果もあまり感じられなくなってきたし、
リハビリにと朗読したら疲労感で悪化するし、
次の一手は、エダラボン?!

話せなくなるのが、一番こわい。こわいよう。。。

あー、夜に考え始めると、余計不安が襲ってくる。

もー、寝よう。寝ちゃおう。考えても無駄、ノーアイデア。

外来診察日(11)

5月19日は久しぶりに大学病院へ。

予約日を変えようとしたら、2ヶ月先になってしまい、
「原則変更はしないでください。」の貼り紙がダテじゃないことを身をもって実感。

3時の予約は、最後のグループだったこともあり、今回は3時間待ちの最高記録。
いつもなら本を読んでいれば楽に過ぎてしまうのに、
首と背中の筋肉が弱くなったらしく、
背もたれが低い病院の椅子だと、姿勢を保つのが少しつらかった。これも変化だ。

ここ2~3ヶ月で急に進行した感じがするなぁ。
腕がだるいので、ブログの更新も休みやすみ打っている。
この病気の特徴として疲れやすいのだと先生が言っていたけれど、
重力が2倍になった気がする。なんとも身体が重い。宇宙に行きたい。笑

5月末で会社を退職して、6月に札幌に引っ越すので、
次回の通院の際に、紹介状をいただけるようお願いした。
先生の診察は毎回楽しかったので、正直さみしい。

エダラボンの保険適用が近そうな感じだけれど、
初期じゃないと効果が見込めないということで、私はぎりぎりらしい。
保険適用になるまで待たず、
東京にいるうちに何回か受けてみた方がよさそうな気がしてきた。
6月は会社にも行かないので、連続投与とかでも支障がないし。
別に通っている病院に自費診療を相談してみようと思う。

家にずっといるとボケちゃいそうだし、
身体が重くてもがんばらんといかんですね。

2015/05/18

しばしのお別れ、ブリジストン美術館。

先週、京橋のブリジストン美術館に行った。
本日17日でリニューアルのために閉館になる。

水曜日の3時だというのに、チケットは長蛇の列(汗;
あまり並ぶことのない美術館なので、閉館間際は空くかと思ったけれど、甘かった。
連日5時までは並んでいるらしい。
よたよたしながら30分ほど並んで中に入る。

ベスト・オブ・ザ・ベスト
この展覧会は、すべて美術館で所蔵している絵なので、
入館料は800円と低めの設定なのも、人気の理由かもしれない。

何度も来たので、お目当ては決まっていたのだけれど、
あらためて一堂に観てみると、好きな絵ばかりだなぁ。

もう一度見ておきたかったのは、藤田嗣治の「猫のいる静物」。漆黒の空間が素敵。

関根正三、佐伯昭三、ピカソ、デュフィ、ザオ・ウーキー。
石橋さんの集めた絵は、どれも鮮やかな色が印象的だと思う。

マティスの「縞ジャケット」という絵に描かれているのは、娘マルグリット。
気管手術を受けた傷跡を、チョーカーで隠しているらしい。
ALSのような進行性の難病だったのかな?と想像したりする。


ブリジストン美術館のリニューアルオープンがいつになるのかは不明。
ビルの外の工事予定には、28年1月までとなっていたけれど、
オープンは数年後という話だった。

その頃には病気が治っていて、
新しくなった美術館に行けるといいな。

2015/05/17

L-カルチニン

市販のサプリメントで、L-カルチニンを1ヶ月ほど飲んでいる。

患者さんのブログで、唾液がネバネバするのが改善したとあったので、
期待して飲んでみたのだけれど、私にはその効果はなさそう。残念。

ネバネバで時々呼吸がしづらいくらいなので、何か効くものがあるといいのだけれど。。。
あと最近話している最中に喉がつまり、「オエッ」っと、えづいてしまう。
喉が麻痺してきているのだろうか。


その代わり、朝起きてのびをした時のつっぱりが少し改善された気がする。

目覚めてすぐのびをすると、足がこむろがえりのようになり、すごい激痛が起きる。
怖いので、足を曲げたまま、手だけ伸びをしていたのだけれど、
それでも足が突っ張っていた。
朝のこむろがえりのダメージで、歩きづらくなってしまう。

ここ数日、それが若干緩和されてきた。

まだ1ヶ月なので、L-カルチニンとの関連性はまだ分からないけれど、少し続けてみるつもり。

食前に飲むと、胃が熱くなる感じがするので、食後に飲んでます。

2015/05/07

3歩進んで、2歩下がる!?

この1ヶ月で、さらに舌が萎縮して、
舌の真ん中あたりがぽっかりと凹んでしまった。。。

舌が薄くなったために、
喉ぼとけが良ーく見えるようになってて、
最初見たときは、ぎょっとしたのだけれど、

舌がひっかからないので、逆に食べやすくなった気が!(嬉)

やはり時間はかかるけれど、一人前しっかり完食できるようになり、
減少傾向だった体重が歩留ったので、ひと安心。


先日、「ハートネットTV」にFC岐阜の恩田氏が出ていて、
ALSの進行具合が、自分にとても似ていると思った。

しゃべり方も、同じような感じで、もどかしさが良く分かって、
思わず、「堂々と話していて、偉いよ~。」と、TVに向かって応援。
同じような話し方をしてる人を見るだけで涙ぐんでしまう。

監督がラモスっていうのも、パワーをくれそうな感じ。
サッカーはワールドカップくらいしか見ないけど、
(典型的にわかファン。しかもウルグアイとか、あざといチームが好きだ)
今年は、FC岐阜に注目してみようかな。

2015/05/06

知っておきたい事実。

国家の暴走 安倍政権の世論操作術」
古賀 茂明 ・著/角川oneテーマ21・刊)



古賀茂明氏のニュースステーション降板騒動を見て、
興味をひかれて手に取った本。
ALSには関係ないけれど、面白かったのでご紹介。

偏った政権批判の本かと思いきや、そうではなく、
元官僚ならではの視点で、
安倍政権の政策上の問題点を、
冷静かつ論理的に解説してゆくのが痛快。

驚いたのは、説明のうまさ。
池上氏もかくやというくらい、分かりやすい。

日本版NSC、特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、
この3つが成立したことで、日本は戦争が簡単に起こせるようになったという。

さらに、安倍首相の思惑は、
核武装→徴兵制へと向かうであろうと、氏は言う。
「徴兵制?ないない。」って思ってたけど、
この本を読んでると、水面下では向かってる気がしてくる。

頑なに原発を廃止しないのも、利権の維持だけじゃなく、
将来の核兵器保有のために、研究者を確保したいから?

安倍首相の演説は、
スピーチライターが優秀で、とてもスマートに見えるけれど、
信頼できるかは別問題。
オリンピック招致の時にも、福島の処理は解決できると明言していたけれど、
つい先日も、汚染水がもれていたニュースをやっていたし。

ナチスドイツの宣伝大臣、ヨーゼフ・ゲッベルスの有名な言葉。

「小さな嘘より大きな嘘に大衆は騙される」
「嘘も100回言えば本当になる」
「嘘も毎日つけば真実になる」

自民党を支持するかどうかは別として、
「美しい日本。」とか、耳触りの良い言葉に騙されないために、
この本は読んでおいて損はないと思う。

2015/04/30

『博士と彼女のセオリー』 (イギリス映画・2015年日本公開)


この映画は、実は見るかどうか躊躇してました。

予告編を見て、ALS初期の症状が自分と被り過ぎていて、ブルーになったのと、

どうせホーキング博士と妻のジェーンの感動の介護ストーリーなんでしょ?…という、
まぁ、見なくても大体分かっちゃう感じがあったので。

…ところが!全然違うのです。

主役のエディ・レッドメインのALS患者っぷりがリアルすぎて、
序盤ブルーになったのは想定通りだったけれど、
ストーリーは、大きく予想を裏切る展開に!さすがイギリス映画。

ネタバレしたいけれど、言うと面白くなくなっちゃうのでここはガマン。

自分が感じたことだけ書くと、愛だけじゃ介護は続かない…ってこと。

患者とケアギバーとの関係は、
母親と子供のような「面倒見る人」「見られる人」の関係ではなく、
対等じゃないとダメなのかもしれない。
もちろん肉体的には対等にはなりえないんだけれど、精神的には対等に。

それには、「尊敬」という感情が双方に必要なのかなと思った。
お互いに相手を尊重できるかどうか。

ホーキング博士は彼女を家族として愛していたけれど、
彼女は対等な人間として接して欲しかった。たぶん。

私も、博士のようなお互いに尊敬できる介護者をみつけられるといいな。
尊敬してもらうのは、凡人には難しいけど。。。

場つなぎが上手くて、2時間の上映時間は、あっという間です。
特にラストが素敵。
エンドロールでじわじわ泣きました。観て良かった!

2015/04/24

慣れるヒマがない。

突然、左手の薬指がダメダメに。(泣;

すでに、小指、中指、親指が動かしづらい状態だったので、
キーボードのブラインドタッチは、薬指で代用するべく練習していたのに、
薬指の突然の麻痺。
曲がったまま伸びない指は、もうこのままなんですかね。
垂れ下がってしまうので、キーボードを打つ時に難が。

こうなったら、何とか動く小指と、人差し指に頑張ってもらうしかない!

色々工夫はすれど、正直、慣れるヒマがない。。。

最近、車椅子の方を見かけると、うらやましいと思ってしまう自分がいる。
足だけだったら、全然耐えられるな…とか考えてしまう。ちょっと病んでますよね?

車椅子の方、ごめんなさい。。。
でも、かっちょいいYAMAHAの車椅子なんか見ちゃうと、ため息がね。

…まだ足も手も動くのに、いまからなーに言ってんですかね、私は。

2015/04/16

電動歯ブラシでマッサージ

4月14日は、摂食障害リハに行った。今回で3回目。

前回より飲み込みが悪くなったことなどを相談。

最近、液体も少し飲みづらい。
ただ、液体については、嚥下の問題というより、
舌と下唇を上手く使えないために飲めていない気がすると言ったところ、

口回りの筋肉が固くなるのを防止するマッサージを教えてもらった。

電動歯ブラシのブラシじゃない側を口の裏側に当てて、
口の周りをぐるっとマッサージすると良いらしい。

右頬の裏側、下唇の裏側、左頬の裏側、上唇の裏側を、
それぞれ5往復くらいマッサージ。

ぶぶぶ…と顔全体に振動が伝わって、思いもよらぬ快感が!これは効きそう。

ちなみに私はソニッケア使用。3万回の高速振動で顔がプルプルします。

効くかどうかを別としても、かなり気持ちイイので、
電動歯ブラシをお持ちの方は、ぜひお試しください!

2015/04/12

バイバイよしぎゅう。

吉野家の牛丼が大好きで、以前は頻繁に行っていました。
松屋もすき屋も何かが違くて、吉野家がいいんです。

特に飲んだ後に食べるのが美味しいと思ってました。(←完全におっさん的行動)

具の載ったご飯系は、まだ食べられるかもと、
久しぶりに入ってみたのですが、、、ありゃりゃ箸で上手に食べられない。

でも、男性一人客ばかりの店内、あまりの静けさに、

「スプーンください。」と言えませんでした。。。


店構えが狭く、カウンターもコの字で向かいの人に見られてしまうので、

ハサミも躊躇して出せませんでした。

つながった牛肉も大きな玉ネギも飲み込めず、
紙に出してそっと捨てました。

小さなお店は、色々と気になります。
結局ほとんど残して帰りました。

1年前とは、やはり違うのだと思いました。

バイバイ、よしぎゅう。

2015/04/08

対照的な2つの映画

好きな監督2人の映画を観た。

1本は、クリント・イーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」。

アメリカ軍最強と言われたスナイパー、クリス・カイルの自伝を映画化した作品。

口コミの評価の高さに反して、鑑賞後の正直な感想は、
「えっ、ほんとにイーストウッドが撮ってる?」

子供を撃つのに躊躇するアメリカ人は正義で、子供に武器を持たせるイラク人は悪だから、
アメリカが戦争したのは仕方ないっていう論調は、ザ・共和党ライク。
そもそもイーストウッドが意図した反戦映画にすらなってない気が。
どちらかというと、スナイパーに憧れて入隊する若者を量産しそう。

どうして、クリス・カイルの自伝を選んだんだろう?
どちらかというと、後藤さんが救出しようとしたあの人にも似た、戦争マッチョなタイプ。

イーストウッドといえば、アメリカ人が触れたくないような、
アメリカのダークな側面をとりあげて、
でも希望はあるって思わせてくれるような映画を撮る監督だと思っていたのに。
今回はがっかりしかなかったなぁ。

アカデミー賞の各部門にノミネートされながら、
音響編集賞しか獲れなかったのにも納得。


もう1本は、三池崇史監督の「風に立つライオン」。

こちらも、実在の柴田紘一郎医師にインスパイアされた
さだまさしが作詞作曲した歌をもとに、映画化した作品。(※設定の一部が実話。)

三池監督の映画なので、
途中で破綻するか、破綻した人が出てくるのかと思っていたら、
今回はカオスなし(笑)。こちらはいい意味で裏切られた。

「アメリカン・スナイパー」と同じく、
戦争に巻き込まれる子供たちが出てくるけれど、
政治ではなく個人にフォーカスして、
なぜそうなってしまったのかを丁寧に描いているので素直に共感できる。

子供たちの笑顔が素敵すぎて、何度も泣きました。

しかもラストで、さだまさしの歌が流れてきちゃったら、もう・・・。

もう二度と戻らないと決めた日本に残してきた恋人に宛てた手紙。


泣きます。

2015/04/05

箱根へぷらっと、ひとり旅。

急に思い立って、ひとりで行っちゃいました。箱根。

日曜美術館で紹介していた岡田美術館に、どうしても行きたかったのです!

重い荷物は持てないので、超コンパクトな旅支度。
(なんで今まであんなに荷物持ってたんだろう。。。)

新宿、朝10時発のロマンスカー「スーパーはこね13号」で旅はスタート。


11時20分頃に箱根湯本到着。

予約しておいた、箱根水明館別館「ポサーダ」に向かう。
もう豪華なお食事とかは食べられないので、素泊まりの簡単な宿にした。
駅から近くて便利。でも、ホテルというより、宿泊所という感じ。
食事なしで、7,500円は高いかな~。

フロントで荷物を預かってもらい、箱根のバス乗り場へ。

岡田美術館は、小涌園のそば。
すぐに来た小涌園行きのバスに乗り、
バスの中でコンビニで買ったおにぎりをむしゃむしゃ。
20~25分ほどで美術館に着く。

「岡田美術館」は、5階建ての大きな美術館。
主に、古代~現代の日本美術を収蔵している。

実はこの美術館、2,800円という高額な入場料でもちょっと有名。
こんなに元気なのに障害者手帳使っちゃまずいかしら?(初めて使う)
ちょっとドキドキしながら出すと、1,000円引きで入場できた。

まずは横山大観の「霊峰一文字」に魅入る。
縦1メートル、横9メートルの富士の絵は圧巻の一言。

ここで一番観たかったのは、速水御舟の「炎舞」という絵…のはずだった。

ところが!いくら探してもないのだ。なぜ?!

美術館の人に聞くと、「その絵は山種美術館さんです。」との答えが。
とほほ、なんと東京にあるのね。(笑)
箱根まで来た意味をしょっぱなから否定され、自分の勘違いに打ちのめされたものの、
同じく御舟作の「木蓮」と、下村観山の「晩秋」という絵が素敵だったので、大満足。

この美術館には、なんと「足湯カフェ」が屋外にある。
風神雷神の巨大な壁画を眺めつつ、20分ほど足湯につかりつつコーヒーを。

ところが風が強く寒い日だったため、
急速に手が冷えて動かせなくなり、ちょっとまずい状態に。(汗;
館内で暖まるまで待って、なんとかバスでホテルに帰った。

夕食は、食べやすいものを探して、ホテルの隣にある「直吉」をチョイス。
人気店なので、1時間ほど待つ。

湯葉丼、美味しかった~。(れんげが重くてやや苦戦した。)












2日目は、チェックアウトして、強羅の「銀かつ亭」でランチ。

はい、上の写真とほぼ絵づらが一緒ですが、別のメニューです。
豆腐にひき肉を挟んだものを揚げたカツなので、柔らかくて美味しい。
(このお店も人気店なので、1時間ほど並びました。)


食事の後は、箱根在住の友人に車で「ポーラ美術館」まで送ってもらった。

ガラスづくりの美しい建物、明るくて広々としたつくりの素敵な美術館。
何度も来たくなる感じ。デートにおすすめ。

2時から4時半まで過ごして、バスと登山電車で湯本まで戻り、
6時半発のロマンスカーに乗って新宿へ。

ひとり旅だと、自分のペースで歩けるのでラクちん。
旅行はだんだん大変になってきたけど、日帰りにして食事を考慮すればまだ行けそう。
(いま一番食べやすいのはカレー。幸いどこにでもある。笑)

次はどこにしようかな♪

2015/04/01

桜ふたたび。

近所の桜が満開。

ちょうど去年の今頃、ALSと診断されて、
「来年の桜は見られるかな?」と思ったことを思い出した。

あれから1年経ったんだなぁ。

話しづらくなって、食べづらくなって、
口からの発症はつらいなぁとつい考えがちだったけれど、
まだ足が動くおかげで、こうしてお花見に行ける。

これからは、隣の芝生を気にするのはやめよう。
しゃべれる人をうらやむのはやめよう。
どこから発症しても、大変なのは同じ。

足が動く自分はついてる!
転ばないように気をつければ、まだどこへでも行ける。

自分のできることを楽しもう。

桜を見るとハッピーになる。すごいな桜は。


進行経過まとめ

【2013年】

9月頃から、少し滑舌が悪くなる。

12月頃:
ら行、な行、だ行が言いづらく、疲れると呂律が回らない。


【2014年】

1月:
左手親指に力が入らない。
脳梗塞かと思い、会社の近くの病院で診察を受ける。
MRI・MRAともに異常なし。頸椎に問題があるかも…ということで、
自宅近くの大学病院の神経内科に紹介状を依頼。

2月14日:
大学病院の神経内科初診。
MRIの所見では、脳には問題なし。
症状から疑われる病気がいくつかあり、
治せる病気と治せない病気があるが、
まずは治せる病気かどうかを検査でチェックするとのこと。
腰椎穿刺・血液検査20種類~を行う。

2月28日
筋電図(末梢伝導検査)を受ける。
検査の先生からは、良すぎるくらいとのコメント。

3月1日:
これまでの検査は異常なし。
ギランバレーの可能性があるので、
ガンマグロブリン集中投与の治療を5日間入院して行うとのこと。

3月10日(~1週間)
入院して各種検査(MRI・針筋電図・筋超音波・呼吸検査・反射検査)と、
免疫グロブリン(ベニロン)の5日間の集中投与を行う。
入院最終日に、運動ニューロン疾患は確実、ALSの可能性との告知がある。
進行により異なるが、1年~3年で車椅子になるとの説明。

3月中旬~4月:
退院後2週間程度で、四肢の脱力が少し進む。
足のひざ裏のつっぱりが悪化。立位、歩く際に痛い。
手・腹筋も筋肉痛のようなつっぱり感があり、
首周りが常にだるい。
会社を一旦休ませてもらうことにする。

4月11日: 外来診察日(3)
特定疾患の申請手続きをすることになった。

4月25日
特定疾患の申請を役所に提出。

5月中旬
帰省から戻ったアパートの階段を上るとき、
膝下に力が入りにくいことに気づく。
少しでも無事な筋肉を鍛えようと、
スクワットを毎日していたのがいけなかったのだろうか?

6月6日: 外来診察日(4)
歯科医に言われて気付いてはいたが、舌の委縮がはっきりと分かるようになった。
膝反射が亢進しているとの指摘を受ける。前回までは弱い亢進だった。
反射の亢進は、脊髄がコントロールできなくなっている証拠との説明を受ける。
実際に症状が気になる手よりも足の方が進んでいるらしい。
歩くにはまったく問題がない。階段を早く登ることはできなくなった。

6月中旬
ニューヨークから戻って以来、急に症状が進行した気がする。
足が踏ん張れない。腕にも力が入らない。
旅行で筋肉を使いすぎたのか?それとも歩く距離が減ったせいなのか?
細い箸が使いづらくなってきた。

6月下旬
プラセンタ注射を始める。(HGF効果を期待して。月4回程度)
レーシック手術を受ける。(コンタクトを入れるのが時々困難になってきたため)

わずかだが食べるのに少し困難を感じるようになった。
ちゃんと噛めていない。水分が口からこぼれてしまうことが多くなった。

7月上旬
水素水を飲み始める。
球麻痺症状が改善。プラセンタ効果、あるいは朗読リハビリの効果か?

7月18日: 外来診察日(5)
リルテックを飲み始める。

8月
右手にも箸が持ちづらいなどの症状が出始める。
左手は指が曲がってきた。

9月12日: 外来診察日(6)
舌と左手の委縮が顕著になる。膝の腱反射は、亢進。
ふくらはぎがつりやすいなどの痙性症状がでてきていることから、
上位ニューロンの阻害が進んできていると考えられるとのこと。
歩行はまだ問題ないが、しゃがんだ状態からの立ち上がりに時間がかかる。(ガワーズ兆候)
右手も脱力を感じ始めてきたため、
洗濯物を干す、皿を洗うなどの家事に若干支障がでてきた。
フォークとナイフを使うような食事が疲れるようになった。
球麻痺症状は進んでいないので、リルテックの効果があるのかもしれない。

10月
左手は薬指も曲がってきて、いわゆる鷲手になりつつある。震えもでてきた。
麺をすれなくなり、箸では麺類が食べられなくなった。
少し息が苦しい時がある。

11月
プラセンタで足の症状が改善。(歩きやすい、しゃがんだ状態から手を使って立てる。)
右手首の力が弱くなる。(鍵やポストのダイヤルなどが回しにくい。)

11月15日: 外来診察日(7)
顎反射が弱く亢進。

11月20日
グルタチオン点滴をはじめる。(週1~2回。1回/1,000mg)
足に力が入るようになり、歩きやすくなった。
水素水、プラセンタ、コエンザイムQ10、リルテックの効果が出始めているのかもしれず、
グルタチオンだけの効果かどうかは不明。
足の調子が良いので、お伊勢参りに行った。

12月16日: 外来診察日(8)
右手の脱力が気になってきた。

12月下旬:
味覚障害になり、甘味などが分からなくなる。
リルテック、グルタチオンのどちらが原因か分からないので、
グルタチオンを3週間中止する。
亜鉛サプリを併用し、2週間で味覚が戻ってきた。

マル都医療券が届く(有効期間:2015年7月31日まで)


【2015年】

1月:
手足の症状、飲み込みなどが悪化。
グルタチオンの効果が切れた可能性もあるため、再開(1,400㎎)
効果のほどは不明。

左手でコップが持てなくなった。PC操作の際、腕が疲れる。
右手もクリップなどが開けない。
歩行は問題なし。疲れると脱力することがある。
登り階段がややつらく、エレベーターを利用することが多くなった。
食事後や座位で、少し息苦しいことがある。

細かく刻まないと食べられない食材が増えた。
ストローで液体を飲むのがつらい。(吸い込みにくい)
左上腕部の脱力が進み、突っ張って痛む。

2月:
ストローで全く飲むことができなくなる。
食事の途中であごが疲れてしまう。
カロリーのある食事をとっているのに、体重が1月で2キロ減少。

3月
鼻から入れる内視鏡を使った嚥下テストを実施。
嚥下機能は保持されているとの結果に安心する。
ただ、食事の途中に疲れてしまうことが多くなった。

障害者手帳(3級)が支給される。

4月
左手、左腕の脱力がさらに進行。
ドライヤーが持てない。薬指が動かなくなり、キーボードは主に右手で打つ。
右腕の脱力も進んできた。右手が頼りなので不安。

時々、唾液が飲み込めずえづく。
長時間、話せない。

5月上旬
グルタチオンは副作用が気になり中止(舌の痺れ・味覚障害)

5月26日:ラジカット自費投与開始(1本/週2~3回)
疲労感の緩和。指が伸ばせるようになる。効果を感じる。

6月
ラジカットで疲労感が緩和され、動きやすくはなったが、
進行は止まらず。

錠剤が飲みにくい。
洗顔が困難になる。(首の脱力で下を向いた姿勢が継続できない。手の脱力のため洗えない。)
首が安定しないので、すぐに疲れる。
食事に時間がかかるようになった。



2015/03/30

ボタンは寝ころんで。

東京は初夏の陽気。

ハイネックセータで通していたけれど、そろそろシャツの出番。

元々シャツが大好きで、少しこだわっていた。
ボトムはユニクロでも、シャツは2万前後のものを買う。
身体に合ったシャツを着ると、それだけで気分がいい。

だから嬉しい季節のはずなんだけど、少し困った。

着替えにとても時間がかかるのだ。
なぜなら、ボタンがはめられないから。

ボタンを閉めるのに30分とかかかると、いらっとして、
だんだん出かけるのも面倒になる。(笑)

どうしたものかと思って色々やっていたら、偶然良い方法に気がついた!

それは、寝ころんだ状態でかける。ただそれだけ。

立った状態でボタンをかけようとすると、
腕を支える力が必要になるので、指先に集中できない。

でも寝ころんでしまえば、
腕が身体の上に載っているので、格段にかけやすくなる。

あくまで私の身体の状態での話ではありますが、
ボタンがかけづらい方は、ぜひ試してみてください。

2015/03/29

空気でお腹いっぱい。

食事の後にゲップがたくさん出てしまう。

どうやら食事の時に、軽く口が開けて噛んでいることが原因らしい。

舌が委縮して動かないので、口を開けて補おうとして、
食物を飲み込む際に、空気を一緒に食べてしまっているようだ。

先生に聞いてみると、「呑気(どんき)」という症状だという。

食後しばらくすると、食道にパンパンに空気が詰まった感じになり、
自分の唾液も飲み込めなくなる。

昨日は、自分の唾液で溺れそうに(窒息しそうに)なって、少し焦った。

おにぎりとかカレーとか、
あまり噛まないで短時間に済む食事が呑気が起きにくい気がする。

それにしても、「出物腫れ物ところ嫌わず」で、
ゲップなんて、男子がやっても眉をひそめていたのに、
立て続けに出てしまうと困ってしまう~。とほほ。

2015/03/26

初めての障害者手帳

封書で障害者手帳を受け取りに来てくださいという通知が来たので、
福祉事務所に手続きに行った。

通知には、何級相当かは書いていない。

医師の診断書では、4級相当だったのだが、
実際に受け取ってみると、身体障害程度3級だった。

歩けるので、4級も難しいかな?と思っていたので、少し意外な印象。
ALSは進行性の病気なので、配慮いただいているのかもしれない。
実際、申請した時よりも右手が麻痺してきている。

ただ、説明を受けた限りでは、3級と4級で受けられる助成に違いはないようだ。

車は運転しないので、都営交通の無料パスだけ支給してもらった。
残念ながら、都営線もバスも無いエリアに住んでいるので、
実際のところは、福祉事務所に行く以外には、あまり使わないかな。(笑)

金銭的な助成は、去年の年収ベースなので、所得超過で対象外。
8月からは対象になるけれど、札幌に移るのでダメですね。
(※札幌市は実施していない。)

でも、これでやっと補装具の相談をすることはできる。

以前相談にした時には、障害者手帳が無いとだめと言われていたので。。。

4月から障害者のしおりが変わるとのことだったので、
オペナビの支給について、3級で支給できるのか来月相談してみようと思う。

そういえば、受け取ってから知ったのですが、意外な特典があるのです。

なんと、映画が1,000円で見られます。毎日がレディースデー♪
上野の美術館はほとんど無料です。

窓口で手帳を出す時に、最初は躊躇してしまいそう。。。
でも、いつ使う、いまでしょ!ということで。(…古い?)

2015/03/21

創薬に嬉しいニュース!

慶応大学の、「疾患特異的iPS細胞」を使った創薬研究に、
新たな進展があったというニュースが。

▽複数の既存薬 ALS患者特有の変化抑制
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150320/k10010022761000.html

「1年後を目途に臨床研究」とのこと。
既存薬でも、適応追加申請までの道のりは長いですね…。


(追記)

…と思ったら、さらに嬉しいニュースが!

東北大学でHGFを使った臨床試験が来月から始まるようです。

▽NHK: ALS新治療薬 臨床試験へ
http://www.dailymotion.com/video/xjtq9b_%EF%BD%81%EF%BD%8C%EF%BD%93%E6%96%B0%E6%B2%BB%E7%99%82%E8%96%AC-%E8%87%A8%E5%BA%8A%E8%A9%A6%E9%A8%93%E3%81%B8_tech

2015/03/16

リルテックによる痺れが…

最近、リルテックを飲んだあとの1時間くらい、
舌が痺れて、ふわふわした感じが起きる。気持ちが悪くなる時も。

去年の7月から飲み始めて、約8か月服用している。
末梢神経障害だろうか。

手足も少し脱力したようになり転倒の危険があるので、外出時に薬を飲むのはやめた。

メリットとデメリットを比較できれば、継続するか検討できるけれど、
リルテックは効いているのかが分からないので、中止の判断が難しい。

私の進行が遅いのは事実、でも何が貢献しているのかが不明。…だもので。


今日、「再生医療実現拠点26年度シンポジウム」の資料が郵送されてきた。
当日の全ポスター展示が合本されている。iPS研究の最前線が集約されている。
(なんと無料です。ありがとうございます!)

シンポジウムを聴いた限りでは、ALSの移植については、
5年以内のロードマップには入っていない印象だったけれど、
慶応の岡野教授と東大が共同で行っている、
「疾患特異的iPS細胞」を用いた研究は、ALSの創薬を格段に早くしてくれそうだ。

簡単に説明すると、ALS患者由来のiPS細胞を分化誘導することで病態を再現し、
病態の解析や創薬に役立てるという。

創薬だけでなく、保険で処方されている薬が本当に効いているのかも実験して欲しい。
薬は本質的には毒物だと思っているので、効かないなら控えたい。
無駄な投薬を減らすことでも、医療費は減らせる。

保険でリルテックのような高価な薬を飲める恩恵に感謝しつつも、
患者が、薬を飲むことに無頓着になるのは危険だと思う。
どんな薬もリスク(副作用)があるので、タダ同然だとしても、
風邪薬とか、インフルエンザ薬とか、高脂血症の薬とか、
むしろリスクの方が高そうな薬は、飲まない方がいいと私は思う。

患者としては、効果があると言われれば、藁にもすがりたい気にもなるし、
私も、保険外で色々と試しているところではあるけれど、
厚生労働省やFDAが承認したからといって、イコール安全とは限らない。
認知症対策を見る限り、自民党は製薬会社とがっちり握っている感じだし。

はてさて、リルテックは効いているのか否や?

2015/03/15

外食はタイヘン。

今日、久しぶりに妹と江古田のインドカレー屋に行って、
チキンカレーと、ナンを注文。

カレーは、つい最近まで、食べやすさ第1位だった筈なのだが、
ナンと悪戦苦闘。(だじゃれではなく。笑)

半分くらいで疲れて、もう飲み込めない。。。

時間がかかり空気をたくさん飲んでしまうのか、ゲップが半端なく出る。

ここのところ、外食で疲れることが増えた。

1ヶ月前くらいまでは、まだ普通に食べていたと思う。
手が多少不自由でも、ナンは手づかみOKなので楽に食べられたのに、

内視鏡検査で、「飲み込みはモンダイなし」と、
太鼓判をもらったはずなのだけれど、
検査の時の2口ほどの食事と、通常の食事では違うようだ。


3月末に、知人を招待して、とっておきのフレンチを予約してある。
この感じでは、本格的なコース料理など到底無理という気がしてきた。…どうしよう!?

この先、食べられなくなってしまうのだから、行っておくべきか?

とはいえ、前菜で脱落するのもかなりカッコ悪い。

でも、食いしん坊なので、残された食事の機会は大切にしたい。
オポチュニティ・ロス、許すまじ。

他に悩まなきゃいけないことあるだろう?と家族には言われそうですが、(汗;
いまはもう二度と来ないから、楽しみたいし。
でも時々、もっと有意義なことをするべき?って罪悪感も感じたり。

アリとキリギリス、どっちが幸せなんだろう。

夏が終わらなければいいのに。

岡田美術館に行きたくて、箱根ひとり旅も計画中。

2015/03/11

うがいのコツ。

昨日の「嚥下テスト、モンダイなし!」での診察の際に、

「最近、うがいが上手くできないんですよね。」と相談したところ、

「『カー』と言う感じで、うがいしてみてください。
喉の奥がしまるので、やり易いと思います。」…というアドバイスをもらった。

早速帰宅して、実践してみる。

「カー」、ガラガラガラ・・・ガラ・・・。

アラ不思議。うがいができた!

使わない筋肉は死んでしまうので、
出来ないからと言って、すぐに楽な方法をとるのはいけないのだそう。

私の場合、食べるのが疲れるのであれば、
1回分の量を減らし、食事の回数を増やすとかする。
(※窒息することもあるので、食べるのを無理しすぎるのはNG。)

ALSは無理なリハビリは止めた方がいいようだけれど、
普通の生活を維持するだけでも、効果的なリハビリになると思う。

無理に運動らしいリハビリはしなくても、
シャワー浴びたり、ドライヤーかけるだけでもかなり腕の力を使うし。
あと、ふらふらしながらも、ラジオ体操は続けてます。


現代ビジネスに、ちょっと面白い記事があった。
最新家電やバリアフリー住宅が、寝たきりのきっかけになることがあるらしい。

夏から母と同居しても、なるべく自分のことは自分でやらねばですね!

▽現代ビジネス 【賢者の知恵】
まさかこんなことで! 「寝たきり」の分岐点??ちょっとした「選択ミス」が、
あなたと家族の人生を大きく変えていく

2015/03/10

嚥下テスト、モンダイなし!

夕方からお茶の水の歯科病院で、嚥下のテストを受けた。

家では細かく刻んだり、食べづらいものを避けるようにしているので、
あまり不便は感じない。
でも、外で食べるときには、
食事の後半に噛み疲れて、飲み込めないことが増えてきた。

時間をかければ、量は食べられるので、
「まだ大丈夫だな~」と思っていたけれど、
20代から全く変動ナシだった体重が、この1年で3キロほど減ったので、
1回チェックしてもらうことにした。

嚥下のテストは、鼻から内視鏡を入れて行う。
内視鏡が生まれて初めてなので、ちょっと不安。。。

麻酔のキシロカインを塗ったスコープが右の鼻の穴に…ツーン。

画面に鼻の穴の中が映った。(おぉー。ミクロの決死圏みたいだよ。)

続いて、のどが見えてくる。
声帯が開いたり閉じたりしている。生き物のようで不気味。
その部分だけピンク色ではなく、膜のように薄くて白い。

「はい、食べてください。」と言われたので、
用意してきたおにぎりをパクリ。

するする~っと、喉の奥にご飯粒が飲み込まれていく。

「飲み込みは、スムーズですね。」

喉の筋肉が動かなくなると、喉の手前の部分に溜まるようになるらしい。

私が飲み込めないのは、舌や頬、顎の筋肉が萎縮しているせいで、
喉のせいではないという結論になった。
声がしわがれてきたのは、なんでだろう。老化か?(笑)

細かく刻めば、食事はまだまだ大丈夫。というお墨付きをもらって、
ひとまずホッとしたのでありました。

2015/03/07

ALS患者と介護保険

先日、「お役所は「前例」に弱い?!」という記事でも書いたけれど、
「ALS患者等の医療的ケアシンポジウム」に参加した際に、

事例紹介のパートで、50歳代の患者さんのコメントに、
同じALSなのに、40歳以上というだけで費用負担が発生し、
低いサービスを受けなければならないのは、
おかしいという指摘があった。

介護について知らない人間には、そんなことが?と思うけれど、
要支援や重症とまでいかない患者さんの間では、
そういう不公平は普通に存在しているらしい。

なぜそういうことが起きるのかというと、「介護保険優先の原則」があるからだ。

40歳以上のALS患者は、
障害者総合支援法第7条にある介護保険優先原則のために、
障害福祉よりも介護保険のサービスを優先して使用しなければならない。

優先というと選択肢があるように聞こえるけれど、
強制的に介護保険のサービスで考えることになる。
そして、認定された要介護度ごとに定められた介護保険サービスは、
明らかに障害福祉に比べると不十分なものとなっているようだ。


私も40歳以上で介護保険優先となるため、他人事ではない。
以前ネットで見つけた、福岡市の患者さんが行政を訴えたニュースの
その後が気になっていた。

▽「介護保険優先」介助に制限 ALS患者「不当」
http://qnet.nishinippon.co.jp/medical/news/kyushu/post_1305.shtml


この件について、ようやく今年の3月に裁決が出たらしい。

「介護保険サービスと障害福祉サービスの併給申請を却下した
福岡市の原処分(本件処分)は不当であるとして、
これを取消す旨の裁決(本件裁決)を行いました。」とある。

▽福岡第一法律事務所の記事
http://www.f-daiichi.jp/handicapped/kaigo/1421/


不服の訴えから裁定まで、1年間以上もかかっており、
英断というよりは、単に2月18日の厚生労働省からの通達を
考慮したというだけの気はするけれど、
福岡市の患者さんにとっては、良いニュースだ。

このALS患者さんは、足りない分の介護費として、
毎月15万~20万の費用を自己負担していたそう。

ALSは進行性の病気だ。
1年もたったら状況が全く変わってしまう。

行政が早い判断ができないのであれば、
介護保険優先の原則から、進行性の難病患者は外すべき。

より明快な通達が厚生労働省から出たことで、
今後は少し変わるのだろうか。

福祉事務所に交渉に行く際には、この通達をプリントアウトして持って行こうと思う。

▽障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基
づく自立支援給付と介護保険制度の適用関係等に係る留意事項等に
ついて(平成27年2月18日)
http://www.pref.mie.lg.jp/CHOJUS/HP/kaisei/SVOL/270218-1.pdf

2015/02/28

テクノツールのMOMO

食事の時に腕が上がらないので、
「MOMO」という、アームサポート(上肢装具)が、とても気になる!

▽テクノツール
http://www.ttools.co.jp/product/hand/momo/index.html

232,200円か…高いなぁ。

キーボードは高く上げなくていいので、まだなんとか大丈夫だけれど、
割と近い将来に必要になる気がする。

先日申請した障害者手帳の結果が来たら、
福祉事務所に行くついでに、
購入について補助があるのかついでに聞いてみよう。
それとも40歳以上だと、介護保険を申請しないと駄目なんだろうか?

なんかそこらへん、難しくて分からん。

福祉事務所まで行くのもバスで1時間かかるので、大変なのだ。
小さなコミュニティバスなので、ほぼお年寄り。
若者の私が座っているのは肩身が狭い。。。

2015/02/26

新型栄養失調?!

フジTVの「とくダネ!」を見ていたら、
「新型栄養失調」という新しい栄養状態が、最近問題になっているらしい。

3度の食事をとっているにもかかわらず、
栄養失調で体調を崩してしまう高齢者や若い女性が増えているという。

その原因のひとつといわれているのが、
肉や卵をあまり食べないことによるタンパク質不足

あれ?思い当たるなぁ。

カロリーの高いものを食べようと思うあまり、
炭水化物に偏りすぎだったかも。

ここ3日で食べたものを思い返すと、野菜と炭水化物ばかりで、
タンパク質は、納豆くらい。。。

どうりで体重減るはずだ。
タンパク質の摂取が足りないと、筋肉が減ってしまうらしい。
ただでさえ筋肉が萎縮してしまう病気なのに、
このままではいかんですね。

みなさん、肉を食べましょう。

2015/02/23

病気で幸せになるパラドックス

ファイナルシーズン(シーズン8)を見た後で、
「Dr. HOUSE」の過去のエピソードを、もう一度見ていたら、
以前はスルーしていたのに、刺さるシーンがあった。

--------------
「Dr. HOUSE」 シーズン4(エピソード9):ゲームオーバー

ハウスの親友で、ガン専門医のウィルソンは、ある日誤診をしてしまう。

余命半年と宣告した患者のガンが、実は良性腫瘍だったのだ。

ウィルソンは、3ヶ月後には患者は死なないことを、再度告知するのだが、
患者は、すでに自分の家を売ってお金を使ってしまい、
6,000ドルの借金をどうすればいいんだとショックを受ける。

誠実なウィルソンは、自分のポケットマネーで6,000ドルを補償すると申し出る。

ところが、患者は小切手を破り捨て、
「少額では納得できない。」と、ウィルソンを訴えると言い出す。

「人生を壊された。」

「たった3ヶ月です。」

「初めて今を生きられたんだ。未来がないから。」

「誤診ではなく、正しい診断を理由に訴える気ですか!?」

「あんたのおかげで、幸せだった。それを奪われた。」


うんうん、患者の気持ちが良く分かる。

健康な人には、ムチャクチャな理屈ですが。。。

未来がないから、今を生きられるって、皮肉な話だけれど、

実はウィルソンも、シーズン8で、余命半年と言われる未来が待っている。
彼は、高級車を買い、念願の3Pを経験するのだ(笑)。

Dying's easy, living's hard.


このドラマを知らない人のために、軽く説明しておくと、

Dr.グレゴリー・ハウスは、プリンストン病院で働く天才医師。
他の科がお手上げになった難病患者を診断するのが、彼と彼のチームの仕事だ。

薬が効けば診断は正しい、効かなければ他に原因があるって感じの
実験的な治療も日常茶飯事。
そのせいで患者は腎不全になったりもするのだが、
「移植すればいい、死ぬよりましだ。」…というようなやりとりが日々交わされる。

たいがいの場合、ハウスのひらめきで正しい診断が下され、病気は治るのだが、
このドラマの場合は、ハッピーエンドとはならずに、
皮肉なニュアンスを残して終わることもある。そこが面白い。

2015/02/21

死んでも食べたい白玉。

天気が良かったので、友人と鎌倉へお散歩に。
行ってみたかった甘味処をついに来訪。

銭洗弁天そばの人気店、「茶房雲母(きらら)」


このお店の名物は、もっちもちの白玉♪

私は、白玉クリームあんみつをチョイス。
白玉1個が超デカイのです。

飲み込みが悪くなってきたので、
実は餅系は避けるべきなのですが、
この白玉のために50分も並んだのです。(※行列必至らしい。)
死んでも1個は食べるぞ!

ふわっふわでやわらかい~。

できるだけ小さく噛み切って、恐る恐る一口入れる。

あちこち貼りついて、飲み込むのにとても時間がかかる。。。(汗;

…でも、やっぱり美味しい。

「なんとかいけそう!」

たまに喉に引っかかって焦ったりして、
途中で疲れてしまったために、白玉は完食できなかったけれど、
満足満足~。

文字通り、死んでも食べたい白玉でありました(笑)。

でも、ほんとに死んじゃいそうなので、今後はもう食べません。

バイバイ、白玉。

2015/02/19

TDP-43が良くワカラナイ。

ALSの研究に「TDP-43」というタンパク質が度々登場するのだが、
どうも良くワカラナイ。。。

細胞内のタンパク質を分解するための仕組み(オートファジー)がうまく働かなくなり、
このタンパク質が凝集すると、ALSを引き起こす一因となるようだ。

同時にFTD(前頭側頭葉型認知症)の要因にもなるらしい。

そこで気になるのは、
TDP43を原因として発症したALS患者は、
FTDになる可能性もあるのか…ということなのだけれど、
理系の論文は文系アタマには難しすぎて、チンプンカンプン。

http://www.rouninken.jp/member/pdf/19_pdf/vol.19_04-19-03.pdf

TDP-43が溜まる場所は、ALS患者とFTD患者では違うのだろうか?
それとも一緒なのだろうか?

それとも、TDP-43が原因となるALSは、ALS-FTDだけなのだろうか?

気になるけど、ワカランのです。

2015/02/18

医療費控除の誤解

源泉徴収票が来たので、初めて医療費控除の書類を作成した。

医療費総額が87万円だったので、
10%くらいは戻ってくると皮算用してたのですが、
大きな勘違いが!

…そもそも払ってない税金は戻ってこないんですねぇ(笑)

社会保険料は前年度の収入ベースなので、結構な金額なのだが、
今年度の収入は低いので、源泉徴収額も少なく、当然還付も少ない。

とらぬ狸のなんとやら。(泣;

2015/02/16

αリポ酸とグルタチオンの副作用

αリポ酸は食前に飲むのが効果的とあったので、
食前に飲んでいたのだが、必ず胃が痛くなる。

体質に合わないのかな~と思って調べていたら、
ちょっと怖いレポートを見つけた。

αリポ酸やタチオンなど、SH基(チオール基)を持つ薬剤は、
「インスリン自己免疫症候群」を誘発することがあるらしい。

●インスリン自己免疫症候群
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo1958/35/9/35_9_723/_pdf

ヒト白血球抗原DR4(DRB1*0406)を有している人(日本人の6~8%)に多く発症するとある。

ALSを治すための点滴で、自己免疫疾患になってしまったら意味がない。
6~8%というのは、けっこうな確率。

αリポ酸は、明らかに胃痛を引き起こすので、やめることにしよう。

タチオンは疲労感に効果があるような気もしているので、
リスクをとるか、メリットを取るか悩む。。。

インスリン抗体を測れば分かるらしく、
もし発症しても、大半は薬を中止すれば寛解するようでもあるので、
次回、先生に相談してみようと思う。

2015/02/15

おやすみの儀式。

ラジオ体操を毎日寝る前にやることにしている。

翌日の身体の動きが全然違う。

よくアスリートが1日休むと取り返すのに3日かかるとか言うけれど、
サボると次の日に身体が重くなったり、つっぱったりする。

毎日同じ体操をしていると、微妙な病気の進み具合も分かる。

「ここで、手が上がらなくなったなぁ。」とか。

「ふらつくようになったぞ。」とか。

普通は早朝にやるべきなんだろうけれど、
私には寝る前があってるみたい。寝つきも良くなった。

「就眠儀式」といって、寝る前に決まったことをするのを、
習慣化すると良いらしい。

ラジオ体操ができるうちは、大丈夫な気がする。

自己暗示にもなっているかもね。


そろそろ、ラジオ体操して寝ようっと。

摂食障害カウンセリング

もしかして虫歯かも…?と不安になったので、
お茶の水にある歯科大学病院に行った。

親不知を抜いて以来、ずっと通っていて、
…といっても年に1回ほど虫歯チェックに来るぐらいだけれど、
口腔診断科の同じ先生に20年来お世話になっている。

この病院は、再診予約の電話の際、
かならず担当の先生が電話口に出て時間を決めるシステムなので、
しゃべり方が少し変だと思っていたようだ。

さいわい虫歯はセーフだったけれど、
診療のあと、しゃべり方の話になったので、
「いやー、ALSという病気になってしまって。」と言うと、

「うちの病院に、摂食機能療法科というのがあるよ。」と、
口腔リハビリを勧めてくれた。

ALSは治療法が無いということもあり、
先生のほうから何か提案されたのは初めてだったので、
なんだか嬉しかった。
やはりかかりつけのお医者さんは大切ですね。


日を改めて、「摂食機能療法科」のカウンセリングを受けた。

いま苦手になってきている点について説明すると、
典型的なALSの患者さんの症状らしい。

・食べものが噛みにくい。
・食べ物をのどまで送りにくい。
・口蓋に食べものが貼りついてしまう。(パンなどが苦手)
・ストローが使えない。
・麺類がすすれない。

ストローが使えないのは、
口周りの筋肉が弱って空気が漏れているのと、
喉と鼻の間にある弁のようなものを絞める力が弱ってきているせいとのことで、
改善効果のある口腔体操を教えていただいた。

食べものが口蓋に貼りついてしまうのは、
口蓋にプラスチックの板のような器具をはめることで解消できるそうだ。

摂食障害の評価については、
鼻から内視鏡を入れてのどの状態を見る必要があるそうで、
それは、次回にお願いすることにした。
(内視鏡は未経験だし、やはり心の準備が…汗;)

進行して通えなくなったら、訪問診療も可能らしい。
持ち歩き用の歯科器具や内視鏡セットもあるそうだ。

技術が進歩して医療器具が小型軽量化すると、
訪問診療のあり方も変わってきそうですね。
メカに強いお医者さんが、メスに強いお医者さんより注目される時代がくるやも?!

2015/02/13

コータリさんの闘病記

送られてきた通販生活(春号)のカタログを見ていたら、
介護用品やロボットを、神足祐司さんがレビューする特集が載っていた。

西原恵理子さんのグルメレポート漫画「恨ミシュラン」に、
コータリとして毎回登場していた神足祐司さん。
毎回酔っぱらっている人としてサイバラさんにいじられてた人かな?(笑)

そんなコータリさんがどうして介護レポートを?と思いましたが、
2011年にくも膜下出血で左半身麻痺になり、ずっと闘病生活を送られていたのだそうです。

介護は誰にでも突然やってくるものではあるけれど。
でも、コータリさんはあまりにもそういったものと無縁なイメージ。

ロボットスーツ「HAL」をはじめとした、最先端介護機器のレポートは、
患者が気になるところを的確に伝えていて、面白い。
さすがプロのコラムニストは違うなぁ。
利用者目線での福祉制度のレポートとか、患者会突撃ルポとか、
今後もコータリさんのコラムを、もっと読んでみたいと思った。


集英社から闘病記も刊行されていたので、こちらも拝読。

「一度、死んでみましたが神足裕司・著/集英社・刊)


記憶の障害もあったけれど、書くことを始めて、
日々のリハビリですこしずつ病気が治っていくのが、文章を通して伝わる。
太っ腹な奥さんと、やさしい子供たち。
在宅介護で一番大切なのは、やっぱり家族なんですね~。

でも、健康な普段のうちから、家族を尊重していないと、
ふつうは、いざ倒れた時に大事にしてもらえません。
あと、頑固もいけません。

父は昔から頑固で家族の言うことは聞かないし、
リハビリもしない。生活も変えない。
パーキンソン病に良いからすすめてるのに頑なに拒む。
みんな良かれと思ってアドバイスくれるのに、もったいない。
常に自分が正しいと思ってる。

まぁ、反面教師として今後の参考にはなるかな(笑)
俺の背中を見ろ!とまでは期待しないけど、
お父さん、もう少し頑張っておくれ~。

2015/02/10

外来診察日(9)

先週の火曜日は、大学病院の外来診察日だった。

いつもは1階のコーヒーショップで、
まったりと美味しいコーヒーを飲んで待つのだけれど、
顔の怪我を隠すためのマスクを外したくないので、仕方なく待合室で。
待ち時間の1時間半がいつもより長く感じる。

さて、今回のメイントピックは、札幌への転院について。

転院するならば、やはり札幌医大でしょうということだった。
私の家からも近いので、それがいいかなと思う。

基本的には、紹介状を書くので問題ないそうだ。

いまの病院は、不要な検査はしない方針なので、
確定時の検査以降は、外来では検査はしていない。
転院先でまた痛い検査からやることにならないといいのだけれど…。
個人的には呼吸器検査が一番嫌いなんですけどね。(痛くないけど)

最近、食事の後で息が苦しいことがあったのだが、
パルスオキシメーター(spo2)は96だった。
正常範囲でホッ。食事の後だけ下がっているのかも。

リルテックを処方してもらう。今回から1万円かかるようになった。

進行が遅いのは、とてもありがたいことなのだけれど、
身の回りのことやお金のことを、
長期スパンで考えないとならなくなったのが、少々せつない。
余命○年と言い切れないので、パーッと貯金を使うって訳にもいかず。。。

札幌の家は、一応バリアフリー対応マンションなので、車椅子でも大丈夫そう。
食事も洗濯も母に手伝ってもらえれば、とても助かる。
施設に入っている父の介護費用も進行とともに増えてきているので、
東京を引き払って札幌に帰れば、生活費を実家に入れることができるし。

そう、札幌に帰れば。
色々な課題が解決するのは事実なのだけれど。

それでも。やっぱり、寂しいよー。

2015/02/09

すごい読み上げソフト発見(^o^)

読み上げソフトで、何か良いものがないか探していたら、
ちょっと面白そうなのを見つけた。

その名も「VOICEROID+結月ゆかり」。

テキストをボックスに入力(あるいはコピペ)して、「再生」ボタンを押すと、
声優さんの萌えな大人声で、文章を読んでくれる♪

単語によっては若干アクセントが違うこともあるけれど、
とても自然な読み上げで、合成音声とは思えない。
長い文章でもOK!

ただ1つ難点は、再生/停止ボタンに、
ショートカットキーが割り当てられていないこと。

手が動くうちはマウスを動かして再生ボタンを押せるからいいけれど、
オペナビTTなどの障害者向けソフトで操作することになったときに、
うまく連携できるのかが分からず。

手の不自由な障害者向けに改善してくれることを希望します、AH-Softwareさん!

声が出なくなっても、可愛い声で話せたら楽しいなぁ。
良く自分の声を保存するとか聞くけれど、
私は自分の声はあまり好きじゃないので、特に自声にはこだわりなし。
できればTBSラジオの南部広美さんみたいな声になりたい。(笑)

-------------------------------
ちなみに、「VOICEROID+」と、「VOICEROID+EX」の2種類つあって、
私はためしに、下位バージョンの、VOICEROID+ の方を買いました。(※6,462円)

2015/02/08

発症順序がQOLを左右する?

顔からコケる事件のショックで少し間が空いてしまったのですが、

「お役所は前例に弱い?!」で続きは次回に…としていた、
「ALS患者等の医療的ケアシンポジウム」の感想の続きです。

今回3人のパネリストの方が、
実際に24時間介護を受けられている患者さんでしたが、
そのうちお2人の方は発声にはまったく支障がなく、
ご自身の声で説得力のあるお話をされていました。

先日TVで放送された富川さんのVTRを見たときにも、
脊髄損傷のシンポジウムに行った時にも感じたことですが、
自分の口で話ができるということは、
QOL上とても大事なことだとあらためて実感しました。

また、シンポジウムの最後にケア関係者の方から発せられた感想が、
強く印象に残っています。

「しゃべれなくなる前に、ヘルパー体制を整えた方が良いと思う。
全く話せない状態からだとヘルパーがなかなか集まらないことがあります。」

確かに話せる患者さんには親近感を持ちやすいですし、
発症順序によって、QOLが左右されるということはありそうです。

障害者手帳も、足と手が先にダメになった場合の方が取得しやすいでしょうし、
コミュニケーション機器やスイッチも話すことができれば、ベストな位置に設置できたり、
医療者やヘルパーにケアの問題点をきちんと伝えることができる気がします。
あくまで想像ですが、足→手→飲み込み→発声の順に進行した方が対応しやすそう。

とはいうものの、私が球麻痺から発症したという事実は変えようがないので、
ここ数日ちょっと凹んでいました。

母に電話でそのことを言うと、
「(ヘルパーさんには)私がずっとしゃべるから問題ないじゃない!」…という答えが。
確かに母は相手に関係なく、いつも絶え間なく話し続けるタイプ。
ちょっと悩んでいるポイントを理解してもらってない気はするけど・・・(T_T)
私があいづち打たなかったら絶対に不機嫌になるしね。

でも、何かできないのかと色々調べてみたところ、
読み上げソフトに話してもらうというのはできそうです。

障害者手帳が取れるまで待った方が良いのかもしれませんが、(補装具の給付があるので)
コミュニケーション機器は、四肢で2級くらいじゃないと支給されないので、
私の場合、それまで待っていると手遅れになりそう。

幸いにも、比較的ITに強いので、
動けるうちに自力で(PCで)話せる環境を構築してみようかと目論んでいます。
こういうの考えるのは、ガジェット好きなので、ちょっと楽しい。

(なんかまとまりのない内容になってしまいましたが、無事立ち直りました。笑)

2015/02/04

転ばぬ先の杖。

先日、顔から転んだことが、精神的にかなりショックだったので、
同日にネットで杖を購入、今日届いたので早速、家の中で使ってみる。

杖、初体験。

購入したのは、ロフストランドクラッチというタイプの杖で、
腕も支えるタイプ。


フランス製で、見た目もお年寄りっぽくない。

500gで軽量とあったが、腕の力がそもそもないので、
左手ではすでに使いづらい。右手で持つしかない。

腕を支えてくれるので、
いきなり脱力タイプの転倒には効果あるかも?

でも、階段などでは荷物になって、
手すりにつかまれず逆に危なそうな気もする。

良く考えると、手の方が弱っているので、
それほど長く使えそうにないな…。

国際福祉展示会で見たシナノと悩んだけど、
安いのにして正解とみた。
(2,500円!ただ、結構重くて大きいので、お勧めはしません。)

銀座で転びそうになることが多いので、
(私の苦手な左下がりな歩道が多いのだ。点字ブロックも危険。)
街デビューは、銀座にしてみよう。

ネット通販って、何でも買えてほんとに便利。
でも、箱をたたんで処分するのが時々大変です。(泣;


追記)
この杖は重すぎて、結局私にはダメでした。


2015/02/02

ついに顔から転ぶ。

とうとうやってしまいました。

ALS患者さんが良くブログなどで書かれている、
顔から転ぶ、を初めてやってしまいました。

手は出たんですが、全く抗することができず、
地面に対して、腕立て伏せのように顔を「ガツン!」と・・・。

幸い歯は無事でしたが、痛いし、
鼻の下擦り剝けてブサイクだし。(T_T)

すぅ~っと脱力するような。
とにかく変な転び方でした。

今後は、寒い日は気をつけねばと思います。

2015/02/01

お役所は「前例」に弱い?!

軽症者の私には、いまひとつ理解できていない、
訪問介護について何か知見が得られるかもしれないと思い、
週末、下記のセミナーに参加させていただいた。

「ALS患者等の医療的ケアシンポジウム」
2015年1月31日(土) @ベルサール新宿グランド

色々と考えさせられる一日だった。

前半のパネラーは、弁護士の長岡健太郎氏。
「医療的ケア・長時間介護の獲得に向けて」

障害者の公的介護に関わる裁判を積極的にサポートされている、
和歌山の弁護士さんだ。
学生時代に介護ヘルパーのボランティアをしていたことが、
障害者の人権を守る活動を始められたきっかけだという。

「重度訪問介護」の支給数。
先人たちによると、この支給数をいかに獲得するかが、
障害者が人間らしい生活を送れるかどうかの鍵となるらしい。

「障害者基本法」で謳われている障害者の尊厳ある生活。
この理念を支えるサービスへの予算は、
国庫がすべて負担するわけではなく、自治体の持ち出しがあるため、
実情としては、支給は予算に応じ大幅に制限されている。
裁判で支給増を獲得した患者さんの公判例などが紹介された。

長岡先生によると、役所を説得するのに必要な武器は、下記の2つ。

------------
1)ケアの足りていない現況、そして求める生活に本来必要なケアやリソースを、
 具体的に説明する資料。
(日々のスケジュールや介護写真など、不便な生活を想起できる内容が良い。)

2)患者の居住自治体、無ければ他自治体での「前例」
------------

つまり、論理的に「情」に訴え、「前例」で落とすってことですね。(笑)

なんだか納得。裁判ドラマでも良く「過去の判例」が出てきますもんね。
もしかしたら、お役所の人が上司を説得しやすい資料を作ってあげる
ということを目指すといいかもしれない。


それにしても、支給数が自治体によって大きく違うのには驚く。

セミナーの後で、支給実態をネットで調べてみると、
最も重度とされる区分6への支給でも、300時間に満たない自治体が多い。

300時間、この時間が意味するところが、
まだヘルパー事業所等を利用していない私には分かっていなかった。

長岡先生が担当した裁判の原告の方のコメントによると、
377時間でも「通院はおろか、外出もままならなかった」とある。

う~む。1日12時間でも全く足りないんですね。

ただし、先駆者の患者さんたちの努力の結果、
ALSは特例としている自治体も多い。

例えば私が転居を予定している札幌市の場合、
以前、札幌ALS協会の方に教えていただいた情報によると、
人口呼吸器をつけていない1人暮らしのALS患者は、400~500時間の支給だという。
つけていれば、例外的に720時間が認められているらしい。
(私の場合、家族同居になるので400時間がやっとか?)

事例紹介のパネリストだったFさん(支障があるといけないのでイニシャルで)
の支給時間は860時間だそうである。
ちなみにFさんは、発話と経口での食事は可能、
バイパップと車椅子、マイトビーを使用されている。
24時間介護を獲得されているALSの患者さんとしては、重い方ではない。
おそらく会場にいるほとんどの方がうらやましいと思ったに違いない。

ちなみに、Fさんはフェイスブックで「前例」を集めて交渉に備えたそう。

患者さん個々の努力は大切だと思うけれど、
前例については、協会などでアンケートをとり、
データベース化してくれるとありがたい。(もちろん個人情報は省いて)
アイスバケツチャレンジの寄付はこういうことに使えば良いのにと思った。


色々調べてみると、どの自治体でも、
ALS患者は、かなり例外的な特別待遇を受けていることに気づく。

これは、ひとつは先人の患者さんたちの努力によるもの。
役所との粘り強い交渉、裁判には頭が下がる。

そしてもうひとつは、ALS患者が「希少」だということ。

ALSは過酷な病気ではあるが、
まったく同じ病態でも脳梗塞やパーキンソン病だったら、
おそらく24時間介護の獲得は困難だ。
罹患率が高い病気には、「前例」は作られないだろう。

ALS患者は恵まれていると言われるのは、確かに真実らしい。
なんだか目からウロコ。。。


ちょっと長くなったので、続きは次回で。

2015/01/31

闘病は中庸でよし。

病気だと分かってブログを書き始めてから、
まもなく1年が経とうとしている。

病気の悩みというより、介護への不安が大きいので、
知人と話していても、自分の病気については話題にできなかった。
(コメントしづらいだろうし)

なので、「王さまの耳はロバの耳」よろしく、
知り合いが誰も見ていないらしいのをいいことに、
人さまに言えない愚痴などを日々書き綴ったりしていたのだが、
記事によっては、検索上位に来たりしているらしい。

もしかしたら、私の知り合いの方が見ているかも?!(…という懸念が)

私は、治ってみせる!という強い希望を語っていないし、
尊厳死的な話題も取り上げたりしているので、
ちょっと後ろ向きなのでは?…と、心配したりなんかしてるかもしれませんが、

私は、決してあきらめたりしていません。

大きく期待もせず、かといって絶望もせず、
その時々に応じて、文句や愚痴をいいつつ、
淡々と乗り切って(割り切って?)いくタイプなのです。

明るくないネタがたまに登場しても、
さりげなく、内緒で見守ってくださいね。(笑)

2015/01/26

軽症と重症のハザマ。

正直言って、両手の親指に力が入らないというだけで、
これほど生活に支障がでるとは想像だにしなかった。

鍵やポストが開けにくいとか、髪が乾かせないとか、
なべが洗えないとか、洗濯物が干せないとか、
ズボンのボタンが開けられないとか、、、

お手伝いさんを雇うほどの作業量ではない些末な、
けれど毎日頻繁に発生する家事たちは、
同居の家族がいればなんとかなるのだろうけれど、
1人ではどうにもならない感じ。

ALSで1人暮らし(完全介護生活)を営んでいるタフな患者さんは、
少ないながらもおられるのだが、
ブログなどで拝見する限りでは、
家族同居の時期を経て、ヘルパー体制を整えたのち、
独居に踏み切った方が多い。

障害者手帳などの公的福祉を利用できる以前の、
軽症と重症の過渡期について、
1人暮らしの場合、どう乗り切っていけばよいのだろう???
仕事はできても家事はできないって事態は、あんまり想定されてない。

飲み込めないとか、階段がつらいとか、
まるで、老化シミュレーション体験をやらされてるよう。

オリンピック前にバリアフリー化が進むとニュースで聞いたけれど、
短ーいエスカレーターの前になぜか3段くらい階段があるとか、
地上行きかと思ってエレベーターに乗ったら、階段の前に着いただけとか、
業者が喜ぶだけの無意味なバリアフリー工事は、
ただの迷惑なのでやめてください。
腹が立つ分、階段しか無いところより疲れます。。。

2015/01/21

iPS細胞治療の最前線

再生医療実現拠点ネットワークプログラム
平成26年度公開シンポジウム
2015年1月21日(水)@ベルサール新宿グランド

再生治療は、いま一番興味のある分野なので、
その最新情報が分かるというセミナーに参加してきました。

会場は満席。参加人数は500人ほど?

一番最初のパネリストは、山中伸弥教授。

iPS細胞についての説明部分は、
山中教授監修の、gaccoの「よくわかる!iPS細胞」講座の授業と
一部重複する内容だったので、文系女子でも楽に理解できた♪

それにしても!iPS細胞の研究テーマは、
すでにマスプロダクションにフォーカスされているのに驚く。

現在、「iPS細胞ストック」の構築が着々と進められているらしい。

iPS細胞を使った治療は、拒絶反応を防ぐために、
自分の細胞を培養するのかと思っていたけれど、
それだと、1件あたり1千万ものコストがかかってしまう。

だが、他人の細胞を移植すると、免疫の拒絶反応が起きる可能性がある。

でもまれに、拒絶を起こしにくいHLA抗体を持つ人がいるそうで、
その人の細胞を元に培養すると、
他家移植しても拒絶が起こりにくいiPS細胞ができるらしい。

現在、山中教授率いる「iPS細胞ストック」プロジェクトでは、
その拒絶反応が起こりにくいHLAタイプを集めていて、
100名のドナーを見つけることができれば、
日本人の大半をカバーできるようになるとか。すごいですね。
チームは、10年後の実現を目指している。

改正薬事法により臨床化へのスピードアップが図られるなど、
国が全面バックアップするようになった背景には、
こういった量産化への目途がついて、
再生医療はビジネスになるという算段ができたということもありそう。

-----------------------

治療の実用化については、
疾患によってマイルストーンが大きく変わるようだ。

原因や機序が明確になっている病気ほど応用しやすいらしく、
パーキンソン病は、もう間近という印象を受けた。
世界最初のiPS細胞の治療例が間もなく見られるかもしれない。

この盛り上がりだと、20~30年後くらいには、白内障の手術のように、
気軽に身体のパーツを交換する時代が来るかも?!

-----------------------

残念ながら、今回のセミナーでは、
ALSなどの神経疾患の進捗については触れられなかった。
iPS細胞を利用して、早く病気の原因が見つかることを祈るのみ。

でも今回の配布資料で紹介されていたウェブサイトに、
ALS研究の現況が詳しく載っていたので、ぜひ参照ください。



また、同じく配布資料の「幹細胞ハンドブック」がとても分かりやすく、
各疾患の研究状況なども載っていて勉強になった。

CiRA(サイラ)のウェブサイトから、PDFで閲覧できるので、
興味のある方はどうぞ。

▽CiRA(サイラ)(→ニュースルーム→刊行物→その他)

2015/01/19

中指がんばる。

今日、グルタチオン点滴をしてきたら、
右手の中指の感覚が戻った!

中指の違和感に気づいてから、すごい怖かったから、良かった…(泣;

これでしばらくはマウスが使える。

今の仕事はマウスが使えないと話にならんので、一安心。

週1だとお金がきついので、
2週に1度くらいでいい感じで効いてくれると嬉しいのだが。

---------------------
※注)
グルタチオンは、現在のところALSへの効果について、
エビデンスはありません。
(点滴を受けている病院の先生から、製薬会社に確認をとってくれました。)
美容目的にも使われており、安全性の高い薬剤といわれてはいますが、
副作用も無いわけではありません。
上記は接種を推奨するものではありませんのでご了承ください。

2015/01/18

悩むのもそろそろ飽きたので。

私は、まず最悪の事態を考えないと安心できない損な性分で、

「最悪の事態でこんなもんか。」と知ってはじめて、楽天家モードに切り替わる。

ここ2ヶ月ほど患者さんの本を読んで、
ある程度は、在宅介護の状況について分かってきた。
(といっても、本当の地獄は分かってないと思いますけどね。)

そのせいで、かなりブルーになったりもしたけれど、
同時に、考えすぎてもしょうがないことも分かった。

進行は人によってかなり違う。自分がどうなるかは誰にも分からない。
分からないことを考えても仕方がないし。
ある程度重度にならないと、どうせ福祉関係も手配できないし。

だからそろそろ反転モード。

やることだけ決めて、余計なことは悩まない。

夏まではなんとか東京で頑張る。

右手の中指の違和感がちょっと心配だけど、
それまでは、なんとかマウスは使える気がする。

でも、家の鍵が開けられなくなりつつある以上、
誰かと住まないと無理。

なので、夏になったら札幌に戻ることに決めた。

いまかかっている先生のような良い先生に、
札幌でも出会えるといいなと思う。

あと、介護に向いてない母がちょっと心配。。。
…あ、いかんいかん、悩まないことにしたんだった。

とりあえず夏までは、東京生活を楽しもう!

2015/01/17

「栄光ある撤退」は認められるのだろうか?

泣いて暮らすのも一生 笑って暮らすのも一生」
照川 貞喜・著/岩波書店・刊)


「泣いて暮らすのも一生 笑って暮らすのも一生」は、2003年に発刊された本。

照川さんは、身体は不自由でも、呼吸器をつけても、
工夫とやる気次第で、できることは無限にあるとおっしゃっている。

ALSになってからパソコンで始めた将棋で、五段を取得したり、
果敢に新しいことにチャレンジされていたようだ。
奥様との掛け合いもユーモアがあって楽しい。


こちらは、この本が発刊されてから6年後に放送されたNHKの番組。

クローズアップ現代(2009年)

照川さんは、病状が悪化して意志疎通ができなくなった時点が自分の死と考え、
9ページにも及ぶ、死を求める要望書をかかりつけの病院に提出したのだ。

「意思の疎通ができなくなるまでは当然のことながら精一杯生きる所存です。
私は人生を終わらせてもらえることは“栄光ある撤退”と確信しています」


この番組は、放送当時とても大きな話題となったようだ。

私はこの番組については全く知らなかったけれども、
照川さんの本を読んで、たまたま検索したらこの話題にたどりついた。

すごい違和感を感じたのは、
照川さんや番組に対して、患者関係者から強い批判があったことだ。

こんなに頑張って生きてきた人が、
自分の要望をここまできちんと主張しても呼吸器は外せない。

外せないどころか、「外したい」って言うことすら許されない空気。

確かに「死んだらそれまでよ。」ではある。
でも、人生を安らかに終えたいと思うのはそんなに悪なのだろうか?
別にバンバン呼吸器を外そうって話でもない。

照川さんほどに患者が意思を表明しても、
呼吸器を外すことが殺人とされてしまうのであれば、
やはり法整備は必要なのかもしれない。

自殺そのものは法に触れないが、自殺ほう助は違法。
この矛盾した関係が難しさをはらんでいる。

意思はあっても患者の身体が不自由な場合、
どこまでが自らとった行動と言えるのかが争点になる気がする。

2015/01/11

「考える」と「悩む」は違う。

「考える」と「悩む」は違う。
これは、尊敬する鴻上尚史さんのお言葉。

分かってはいても、このところの私は悩んでいる状態にハマっている。
進行が遅くなったことで未練ができて、
何事もスパッと決めることができなくなってしまったらしい。

階段も上がりづらいし、さすがに引っ越さなければならないのだけれど、
賃貸なので、どうしたってランクが下がるところになる。

すると「あれがイヤ」「これが気になる」と、結論を先延ばしにしてしまい、
発症後1年にもなろうというのに、まだ以前の住居のまま。

この1ヶ月ほど、また急に進行してきた気がするので、
本当は、諦めて決めなきゃならない。
言い訳も多くなってきて、回りも少しイライラしてきているような。

仕事も大した役には立ってないけれど、キーボードも若干つらくなってきたし、
そろそろ辞めた後の引き継ぎを考えておいた方がいい。
それには、いつまで続けたいかきちんと言わないとならないけれど、
決めてしまったら、もう社会とのつながりも無くなるようなコワさ。

でも…

どうしたって、今の生活は続けられないのだ。

そろそろ考えないといけない。

2015/01/09

寒いとやはり症状が・・・。

北海道は、爆弾低気圧通過中。

この1ヶ月の間に、急に進行した感じ。
左手だけでなく右手も弱ってきた。

昨年も冬の間は進行が止まらなかったけれど、
寒いと筋肉が固まるので、進行した感じがするのかもしれない。

ズボンの脱ぎ履きに時間がかかるので、トイレに早めに行かなくては。(笑)
食事もハサミが手放せなくなってきた。
食べるのに時間はかかるけど、食欲は衰えてませんが。(量はしっかり)

※余談
アマゾンで買ったハサミが、とても使いやすいです。
3つ買ったけど、これが一番でした。軽いし携帯ケースもついてて便利。


味覚障害になったので、
ここ3週間ほどグルタチオンを休んでいたけれど、
寒さではなく、点滴を止めたせいで進行したならと、
背に腹はかえられないので、急きょ1400㎎点滴した。

…なんか少しマシになった気はするけど、うーん。。。

早く暖かくなってほしい。
とりあえず、明日東京に帰る予定。

2015/01/06

こころ豊かに生きる人。

住めば都の不自由なしあわせ」
(西村隆・宮本雅代・著/いのちのことば社・刊)


お正月は、ALS患者さんの本を数冊拝読した。

この本は、以前「小さな死」という記事でご紹介した、西村夫妻の本。
人柄がにじみ出ているような、気持ちがほっこりする本だった。

本を著したり、表に出られているALS患者の方は、
”闘う”患者さんが多いように思う。
他の患者さんの相談に乗ったり、介護者を育てたりすることを生きがいとして、
自らの療養生活、在宅介護のリーダーとして、自分を位置づけている。
”そういう活動を通して、生きる目的を見つけよ。生き抜け!”という印象を受ける。

勇気づけられつつも、そんなタフネスは私にはないかも…と同時に思ったりする。

西村さんは少し違う。
ご本人いわく、病気と”闘う”というより、病と共存する”共病”。

まったく先の見えないALSとの生活。
病気と闘うと、病気だけに目が向いてしまう。
そのうちに自分一人が離れ小島にいるかのような気がして、
まっ暗闇にのみこまれそうになる。

西村さんは、そんなALSに苦しむ日々を通して、
いつしか「失ったこと」から「足りていること」に目を向けられるようになった。
西村さんには、普通の人には見えないものが見えている。

お父さんのエピソードが素敵だった。
一家そろってのお正月に、西村さんのお父さんが急につぶやく。

「最近になって、見るものがみんな、ピカピカ輝いて見える。一日一日が当たり前じゃなくて・・・」
「ぼくが言いたいのは、これが隆の生きている世界じゃないかって、ふと思いついた。いい世界だ・・・。」

他の家族は戸惑い、「動けない隆の世界がわかるわけがない。」と、お父さんを戒める。
でも、西村さんは自分の豊かな世界を共感してもらえて感謝する。

お父さんの言葉は真実だ。

「この風景は、もう見られないかもしれない。」

そう思うだけで、すべてがキラキラしてくる。

冬の空は、空気が澄んでいるので、とてもきれいだ。
忙しい毎日を過ごしていたときは、
頭の上に、こんなに美しいまあるい月がぽっかり浮かんでいることに気づかなかった。
決して病気にかかった自分に酔っているのではなく、
1日の中で、時間がとてつもなくゆっくり流れている瞬間がある…とでも言えばいいだろうか。
目に映るものが輝いて見えて、とても豊かな気持ちになる瞬間。

「足りないもの」と闘うことも素晴らしい人生だけれど、
「足るを知る」こともまた、幸せへの近道なのかも。

病気になったことで、欲張りではなくなった。
でも、生きているだけでOKという心境には到底なれそうにもないので、
悟りというには、まだまだ畏れ多い。
煩悩の数がせいぜい2ケタになった程度かな。(笑)

2015/01/04

元旦の北海道新聞より。

1月1日の北海道新聞に掲載されていた、
山田太一さんと赤坂真理さんの新春対談が面白かった。

「うんうん、まさにまさに。」と、共感できる箇所が多くて、
本当は全文引用したいくらいだけれど、
最も印象に残った部分を・・・。

-------------------
山田: いま、何より「経済だ」って言うじゃないですか。

赤坂: あれはいやですね。
「景気回復」って、政策でもビジョンでもないじゃないですか。

山田: それに抵抗することができない。
結局のところ、給料減ったり、貧困が襲ってくると怖いから。
それは否定はできないけれど、その物語以外にも、他の物語があると思う。
たとえば、「福島の体験があったから、原発は全部やめよう。
それで経済的にはつらい時代があるかもしれないが、それに耐えてみんなでヒーローになろう」みたいな物語って、案外多くの日本人が共感するんじゃないか。

赤坂: 自分がその流れの一部であることを「誇り」に思える…。

山田: よその国に行っても「ああ、あなたの国は金もうけだけじゃないね」と言われる(笑)。
それでちょっと貧乏になったりするの、格好いいじゃないですか。
そういうセンスがもっと広がった方がいいと思う。
-------------------

私には、何十年先の日本は見られるか分からないけれど、
原発はやっぱり嫌だ。

日本はいままで過去は振り返らないできた。
ドイツのようにちゃんと過去から学ぶ国になるには、
間違っていたことを、間違っていたと認めることから始まるのだと思う。

有言実行の人。

マドンナの首飾り―橋本みさお、ALSという生き方」
山崎 摩耶・著/中央法規・刊)


ALS患者で、橋本操さんの名前を知らない人は、
おそらくいないと思う。

罹患してまだ日の浅い私ですら、
お会いしたことはなくても、知っている。
ネットで病気のことを検索すれば、ほぼ100%の確率で、
彼女の活動や発言の記録に行き当たるからだ。

「マドンナの首飾り」は、
そんなALS患者のパイオニアともいえる、
橋本操さんの発症から今に至るまでの活動の記録。

人口呼吸器推進派の橋本さんの発言は時に過激で、
呼吸器をつける覚悟を持てない私には、
なんとなくお会いするのは憚れたりする。

だってね、この人の前では言い訳はできないのです。

「家族がいないから介護は無理。」

橋本さんは、旦那と子供に介護をやらせるのは無理と、
一人暮らしで24時間介護を実践。
家族の存在はもちろん生きる希望となっていただろうけれど、
もしシングルでも同じようにしていたのでは?と勝手に想像する。

「人の世話になって生きるのは嫌だ。」

橋本さんは、人に面倒を見てもらうのが気にならないそうである。
私は、トイレに一人で行けないという状態を想像するだに恐ろしい。ちっちぇえな私。

「お金がないので生きられない。」

自分で介護ステーションを立ち上げ、自活されている。
ALS患者に人口呼吸器をつけることが無意味ではないと、
デンマークの学会で、海外の医療者に訴えるために、
自ら街頭募金をして、渡航費用を捻出したそうだ。

ショッピングが大好きで、とても気前がよい。
これも一般的な難病患者像とは違う。
そういえば、札幌での中島孝先生のセミナーでも、
橋本さんから、六花亭のチョコレートのお土産を全員分いただいたっけ。
(※橋本さんは、体調不良のためセミナーには欠席されたのですが。)

できるかどうか考える前に「やる!」と決めてしまう行動の人。
有言実行の見事な生きざま。
患者自身が船長になって、自らの療養生活の行き先を決めてゆく。

橋本さんがそのように生きているということが、
心の支えになる患者はたくさんいると思う。
たとえ呼吸器を選ばなかったとしても。

平穏死をめぐる考え方には、賛同できない部分もたくさんある。
それでもなお、読んでいてとても勇気が湧いてくる本だった。