2015/01/21

iPS細胞治療の最前線

再生医療実現拠点ネットワークプログラム
平成26年度公開シンポジウム
2015年1月21日(水)@ベルサール新宿グランド

再生治療は、いま一番興味のある分野なので、
その最新情報が分かるというセミナーに参加してきました。

会場は満席。参加人数は500人ほど?

一番最初のパネリストは、山中伸弥教授。

iPS細胞についての説明部分は、
山中教授監修の、gaccoの「よくわかる!iPS細胞」講座の授業と
一部重複する内容だったので、文系女子でも楽に理解できた♪

それにしても!iPS細胞の研究テーマは、
すでにマスプロダクションにフォーカスされているのに驚く。

現在、「iPS細胞ストック」の構築が着々と進められているらしい。

iPS細胞を使った治療は、拒絶反応を防ぐために、
自分の細胞を培養するのかと思っていたけれど、
それだと、1件あたり1千万ものコストがかかってしまう。

だが、他人の細胞を移植すると、免疫の拒絶反応が起きる可能性がある。

でもまれに、拒絶を起こしにくいHLA抗体を持つ人がいるそうで、
その人の細胞を元に培養すると、
他家移植しても拒絶が起こりにくいiPS細胞ができるらしい。

現在、山中教授率いる「iPS細胞ストック」プロジェクトでは、
その拒絶反応が起こりにくいHLAタイプを集めていて、
100名のドナーを見つけることができれば、
日本人の大半をカバーできるようになるとか。すごいですね。
チームは、10年後の実現を目指している。

改正薬事法により臨床化へのスピードアップが図られるなど、
国が全面バックアップするようになった背景には、
こういった量産化への目途がついて、
再生医療はビジネスになるという算段ができたということもありそう。

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治療の実用化については、
疾患によってマイルストーンが大きく変わるようだ。

原因や機序が明確になっている病気ほど応用しやすいらしく、
パーキンソン病は、もう間近という印象を受けた。
世界最初のiPS細胞の治療例が間もなく見られるかもしれない。

この盛り上がりだと、20~30年後くらいには、白内障の手術のように、
気軽に身体のパーツを交換する時代が来るかも?!

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残念ながら、今回のセミナーでは、
ALSなどの神経疾患の進捗については触れられなかった。
iPS細胞を利用して、早く病気の原因が見つかることを祈るのみ。

でも今回の配布資料で紹介されていたウェブサイトに、
ALS研究の現況が詳しく載っていたので、ぜひ参照ください。



また、同じく配布資料の「幹細胞ハンドブック」がとても分かりやすく、
各疾患の研究状況なども載っていて勉強になった。

CiRA(サイラ)のウェブサイトから、PDFで閲覧できるので、
興味のある方はどうぞ。

▽CiRA(サイラ)(→ニュースルーム→刊行物→その他)

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