2014/04/07

情報があるということ。

川口有美子氏の「逝かない身体~ALS的日常を生きる」を読了。

ALSを患った母親を13年間看つづけた、
日常というにはあまりに過酷な介護の記録。

川口さんが看病を始めた頃に比べて、
確かにALS患者を取り巻く環境は、
はるかに生きやすくなっているのだろうとは思う。

それでもなお、川口さんの意図に反して、
この本を読んだ後、私は「呼吸器は決してつけまい。」と思った。

私の症状が今後、川口さんのお母さんのように
進むのかは誰にもわからない。
でも、そう違わないであろう、自分の未来のリアルな状況を
私は知ってしまったというのは大きい。

その事態に直面する前に知ってしまった私は、
もう、なんとなく身を任せるということはもうできない。
ALSの知識を得るために買った、
他の数冊の本を読み始めるのが少し怖くなった。
私のような頭でっかちな人間は、
その情報に打ちのめされてしまう。

これだけテクノロジーが発達しても、
全身障害者がひとりでトイレにはいけなくなれば、
ダンナも子供もいない私のような患者は、
他人にその部分を委ねねばならない。
しかもある日突然に。
せめて老いていれば受け入れられるのだろうか。

この点だけでも解決できれば、
もっと生きたい女性は多いと思うのに。

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