2014/08/01

誰にでも、介護は突然やってくる。

「心が楽になる介護のヒント」 (読売新聞生活部編/中央公論新社)


読売新聞「ケアノート」は、作家や芸能人など、
有名人の方々が介護に向き合った経験を取材したコラム。
本書は、掲載された記事をもとに52人の方々が1冊にまとめられている。

介護する側から、しかも有名人の方々なので、
美談的な話が多いのかと思ったけれど、率直に介護への思いがつづられていると感じた。

ほとんどの方が、肉親の脳梗塞や認知帳など、
突然介護しなければならない状況に直面している。

仕事の都合もあるので、当然、勘弁してほしい、正直迷惑だと思ったりもし、
周りに頼らないで頑張ってしまうと、介護する側の健康を害することもある。
「これ以上税金を使うのは申し訳ない。」と、
公的支援に頼らず自殺された清水有貴子さんの話も痛々しい。

連城三紀彦さんをはじめとした、「息子介護」をしている方々が、
介護を楽しもうとしているのが印象的だった。
女性の場合、夫の母の介護など、
本人の気の進まない介護が強制されてしまうシチュエーションも多いけれど、
男性の場合、実母を介護したいと本人が覚悟して選択した結果であることも、
大きいのかもしれない。

介護は家族以外の人にも頼った方が良いという意見も多かった。
ただ、認知証の場合など、介護される側が肉親による介護以外は拒否されるケースも多いようで、いやがおうもなく、介護する家族が消耗していくのもつらい。

余命が分かっているなら、おそらく家族介護でも良いと思う。
でも、いつ終わるともしれない長期の介護については、
職業として割り切れる人たちにお任せすることが必要なようだ。

介護される側を想像できる自分としては、
全くの他人に排泄や入浴を介助してもらうのは、屈辱的であるし、泣きたくなるけれど。

それに慣れるには、いったいいくつのハードルを越えないとならないのだろう。
慣れることができなければ、生きていけないようになる。
本当はまだ想像したくないのだけれど、少しずつ覚悟しなければ。。。

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